TikTok親会社、中国国営新聞社とブロックチェーン及びAI分野の合弁会社設立

日本でも若年層を中心に一大ブームを引き起こしている動画共有サービスTikTokの親会社ByteDance(バイトダンス)と中国国営の上海東方新聞は、ブロックチェーン及びAI分野におけるジョイントベンチャー「Pengpai Audiovisual Technology」を設立した。

米ブルームバーグの報道によると、12月10日、中国山東省 済南市で事業が開始され、ByteDance社が49%の株式を保有するという。

現時点では、ブロックチェーンをどのように活用するのかなどの詳細は明らかになっていないが、すでにAIによるユーザー属性分析などのデータを積み上げてきたByteDance社の技術と経験が見込まれたことは疑う余地がない。

世界のユーザーに支持されている動画共有アプリTikTokは、2017年にはEコマース機能を追加し、単なる娯楽としてではなく、総合的なソーシャルメディアプラットフォームとして進化していくことを狙っているようだ。

世界的なTikTok人気

TikTok人気は世界中を席巻しており、154か国、75の言語でサービスを展開し、世界のアクティブユーザー数は月間5億人に達する。

2018年第1四半期にはApp Storeでのダウンロード数第1位(ゲームを除く)、米Google Play Storeでも、2018年11月の月間ダウンロード数第1位に。第3四半期の世界アプリ市場ダウンロード数は1億8500万件に上り、Instagramを上回る第4位の座を得たという。

ByteDance社は、中国で2012年に創業したスタートアップ企業だ。同社は「今日頭条」(Toutiao)というニュースアプリで成功を納め、中国最大のニュース配信サイトとなった。

2016年からは次々にTop Buzz やBuzz Videoといったアプリで海外に進出、2017年にTikTokをローンチ後、アメリカやヨーロッパのユーザーに人気だった動画投稿アプリMusical.lyを買収、統合している。

Toutiaoも今年7月には世界のニュースアプリにおけるダウンロード数でトップに躍り出ており、中国国内で圧倒的なシェアを誇るWeChatやアリペイとは対照的に、ByteDance社の多くのアプリは世界で支持されているグローバルアプリと呼べるだろう。

そんな同社のアプリに共通しているのが、AIによる「推薦」機能で、ユーザーの好みに応じた「オススメ」コンテンツが次々にフィードされるようになっていることが強みとなっている

仮想通貨関係の投稿も

TikTokでは、音楽に合わせた若者のダンス動画などを中心に人気を博しているが、ビットコイン関連のショートビデオが拡散された例もある。

クリプト起業家のThomas Schulz氏が「初めてのTikTokバイラルビットコイン」ビデオとして紹介した動画には「GPU価格上昇の理由」とのキャプションがつけられ、採掘(マイニング)機器がずらりとならぶ部屋の様子が映し出されている。

その影響力の大きさは、各国で社会問題に発展することもある。

日本でも投稿ビデオ撮影のための迷惑行為が問題視されたり、7月には児童ポルノを拡散したとして、高校生と大学生9人が書類送検されている。いずれにせよ「インフルエンサー」としての存在は無視できない。

ブロックチェーン事業を国を挙げてバックアップする中国で、次々に新たな波が起ころうとしている。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
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