米バージニア州、「ブロックチェーン投票」検討へ

ブロックチェーンで有権者記録と選挙結果を保護

アメリカのバージニア州議会で、ブロックチェーンを使用した投票方法を調査し検討する法案が提出された。

サイバーセキュリティの専門家でもあるHala S.Ayala議員が提出した法案は、州の教育省に「有権者の記録と選挙結果を保護するためにブロックチェーン技術の使用を検討する」よう求めている。

法案は、選挙部が調査検討の実施を行う際に、下記の三項目満たす必要があるとしている。

  • (1)投票者記録と選挙結果を保護するために使用できる、ブロックチェーン技術の種類を決定すること
  • (2)従来の方法と比較した、ブロックチェーン技術のコストや利益を確定
  • (3)投票者記録と選挙結果を保護する上で影響する過程にブロックチェーンテクノロジーを実装するかどうかを検討し、またその実装方法について勧告を行うこと

また法案が可決された際には、バージニア州情報技術局が選挙部門に技術支援を提供することも案には組み込まれている。

現在委員会での議論を控えているため、法律として実現するのはまだ先である。仮に実現すれば、800万人を超える人々の投票方法が変わる可能性がある。

日本でのブロックチェーン投票事例

バージニア州の隣、ウェストバージニア州では2018年11月、アメリカで初めて選挙にモバイルブロックチェーン投票システムを採用した。

選挙権を有し、海外に駐留する軍人などに、AndroidまたはiOSのスマートフォンによる投票が許可され、投票結果はブロックチェーンサーバーのネットワークに保管されたものだ。

海外に駐留している軍人の投票率を上げることが一つの背景であった。ブロックチェーン投票については、マルウェア対策などセキュリティ面の解決や、ビットコインのように、誰でも情報を確認できるノードになれる状態にはなっていなかったことなど、課題や検討事項も確認している。

日本でも、ブロックチェーンを活用した投票について、実験開始事例が見られる。

茨城県つくば市は2019年、国内初となるマイナンバーカードとブロックチェーン技術を活用したインターネット投票を行った。

またこれを更に発展させ、新たにスマートフォン等を活用した投票、顔認証技術を用いた本人確認による利便性の向上に取り組んでいる。

参考:法案

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茨城県つくば市は、日本政府の掲げる「Society 5.0」における社会実装支援事業の最終審査において、ブロックチェーン技術やマイナンバー制度を活用したインターネット投票実施を発表した。
米国のウェストバージニアで行われた全米初の連邦選挙でのブロックチェーン投票。そこには海外在住の有権者における課題といった背景や、新たな技術に対し懐疑的な層からの批判などがあった。選挙管理人を務めた人物がその舞台裏を語った。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
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