
香港・上海から始まる可能性
ロイター通信は20日、中国政府が人民元連動ステーブルコイン発行を検討していると報じた。国務院が今月、人民元の国際的利用拡大を目的とした制度設計案を審議し、承認する可能性がある。
同計画にはオフショア人民元の利用目標設定、国内規制当局の責任分担、リスク管理ガイドラインが含まれる。先日のフィナンシャル・タイムズによると、過去2か月間専門家を招集し、「中国のステーブルコイン・プロジェクトは国情に適合する必要がある」との方針を確認した。
関係筋によると、上海と香港が中国のステーブルコイン計画の国内実装を主導する見通しだ。また北京は8月31日から9月1日まで天津で開催される上海協力機構(SCO)サミットでこの問題を提起し、地域貿易における人民元利用拡大を目指す可能性がある。
背景には香港でステーブルコイン発行許可法が成立したことがある。香港金融管理局は来年から「少数」のライセンス発行を開始すると発表し、国有4大銀行のうち1行のみが初期段階で取得予定だ。資金洗浄とマーケット投機への警戒から厳格な審査基準を設定している。
中国人民銀行の潘功勝総裁は6月、ステーブルコインが「従来の決済システムを根本的に変革した」と評価を表明している。現在ドル連動ステーブルコインが国際仮想通貨市場で支配的地位を占める中、人民元版の実現により24時間低コスト決済と国境を超えた貿易決済の効率化を目指す。
オフショア人民元市場では香港が取引高の41%を占め、英国22%、シンガポール16%、米国11%が続く。中国国有企業は決済・清算分野でステーブルコインへの関心を高めているが、資本流出への警戒から成長ペースは米国市場を下回る見通しとなっている。
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