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地政学リスクを受けビットコイン反転上昇、前週比27%高のXRPなどアルト相場にも波及

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

反撃の狼煙なるか

6日の暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインが前週比6%高の93,720ドルと反発している。

BTCC/USD週足

昨年10月に過去最高値の約126,000ドルを記録したが、10月10日のトランプ関税ショックに伴うフラッシュクラッシュ、および大規模ロスカット(強制清算)を経て調整局面に入り低迷。一時80,000ドル台まで急落した。

直近では50日移動平均線(SMA)を下回って推移しており、短期的な上値の重さが意識される水準だが、数ヶ月単位で続いた下降トレンドラインのブレイクアウト(上図赤丸)はポジティブ。10万ドルの大台回復に向けては、93,000ドル台の上値抵抗線や50SMAの突破が焦点となろう。

一方で、2023年からの長期的な強気トレンドは辛うじて維持されているとの見方もある。現物ETFなど機関投資家の継続的な買い支えがあれば再度上昇トレンドへの転換が期待されるが、需要が伴わなければさらなる調整の可能性も残る。

ビットコインの急反発は、昨今の弱気トレンド転換で資金抜けの目立っていたアルトコイン相場を含む仮想通貨市場全体に波及した。年明けから上昇基調にあるイーサリアム(ETH)が3,200ドルに向けて上昇したほか、ソラナ(SOL)は137ドルまで上昇。

また、時価総額4位のエックスアールピー(XRP)は、前日比11.2%高の2.38ドルで取引され、昨年11月以来の高値を記録した。

Messari

これらのデータは、投資家のセンチメントが市場混乱に伴うリスク回避よりも、昨今の調整局面での押し目買い意欲や中・長期的なトレンドに重点を置いていることを示唆しており、機関投資家はマクロ経済の安定性を優先する姿勢へと転換しつつあることを示唆している。

直近ではイーサリアムの上昇率がビットコインをアウトパフォームしており、これもトレンド転換の予兆を示唆するシグナルの一つと言えるだろう。

Messari

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市場が注視するベネズエラ動向

ビットコイン上昇の背景には、米トランプ政権によるベネズエラに対する軍事行動、およびマドゥロ大統領の拘束報道に伴う地政学的リスクもあるとみられる。

ベネズエラ政府が最大600億ドル(9.3兆円)相当のビットコインを秘密裏に保有している可能性を指摘する調査レポートが議論を呼んでいる。

関連:ベネズエラ政権、制裁回避でビットコイン蓄積の疑い 米凍結で供給減の可能性

今月3日に公開されたProject Brazenのホエールハントによるレポート「The $60 Billion Question: Is Venezuela Secretly a Bitcoin Superpower?」は、同国が水面下の国家準備金として流通供給量の約3%にあたる最大60万から66万BTCを蓄積した可能性があると主張した。

これが事実であれば、ベネズエラの保有量は米国の保有量の約2倍に相当し、財務戦略としてビットコインを大量保有する米上場企業マイクロストラテジー(現ストラテジー)に匹敵する規模となる。

ピューリッツァー賞ファイナリストであり、過去に大型スキャンダルを暴いた実績を持つ調査報道記者のブラッドリー・ホープ氏とクララ・プレブ氏による調査報告によれば、2018年に本格化したベネズエラの「金(ゴールド)からビットコイン」パイプラインで、マドゥロ政権が鉱山から約73トンの金を売却し、約27億ドルもの収益を生み出したとされる。

アナリストは、これらの資金が当時の1BTC=3,000ドル〜1BTC=10,000ドルの価格帯でビットコインに転換され、その後累計40万BTCが確保された可能性を指摘した。

マドゥロ政権は、欧米諸国からの度重なる経済制裁を回避するため、金(ゴールド)準備金の売却に加えて石油貿易の決済にテザー(USDT)を利用し、それらをビットコインに変換してきた疑いがある。さらに国内マイナーからの没収やPetroトークンの廃止を通じてデジタル資産を集中させたとされる。

Petroとは、ベネズエラ政府が石油埋蔵量に裏付けられていると主張し2018年に発行した国家主導の仮想通貨であり、マドゥロ政権が米国の経済制裁を回避する手段として導入したとされる。

マドゥロ大統領の逮捕を受け、ベネズエラの少数の工作員が保有する秘密鍵の確保に注力していると報じられる中、米当局が何かしらの手段で資金の押収や凍結に成功すれば、ビットコイン市場流通量の実に3%近くが法的手続きの間、実質的に何年間も動かせなくなる。そうなれば構造的な供給ショックを引き起こし、中・長期的な価格上昇を支える要因となる可能性が指摘される。

しかし、レポート自体が認めているように、オンチェーンデータによる裏付けが一切存在せず、主に政権内部関係者の匿名証言と公開文書に基づく推測に過ぎない。60万BTC規模もの大量保有であればArkham IntelligenceやGlassnodeなどのブロックチェーン分析ツールで検知されやすいが、現時点でそうした証拠は欠如している。

Bitcoin Treasuriesの公式データでは、ベネズエラ政府の保有は240BTC(2,200万ドル相当)に留まっており、600億ドル規模の主張とは大きな乖離がある。X(旧Twitter)上でも現時点では未検証の噂に過ぎないとの批判もあり、米政府による公式発表を待つ声が多い。

ビットコインETF(上場投資信託)などの現物需要が流入して1BTC=94,000ドルを上回って維持すれば、10万ドルの大台回復にむけてさらなる上昇も見込まれるが、現物需要が伴わなければ鈍化して二番底を探りにいく可能性も指摘されるところだ。

このような局面にある中、投資家はフォロースルー買いが実現するかどうか、あるいはレバレッジ解消後に上昇が弱まるかどうかを注視しており、核心的な主張については検証可能な証拠の提示が今後の課題となっていると言えそうだ。

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