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ビットコイン地政学リスク下でも底堅さ維持、停戦協議の行方が焦点|bitbankアナリスト寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

今週の週次レポート

国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が、今週の暗号資産(仮想通貨)ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。


目次
  1. ビットコイン・オンチェーンデータ
  2. bitbank寄稿

ビットコイン・オンチェーンデータ

BTC取引数

BTC取引数(月次)

アクティブアドレス数

アクティブアドレス数(月次)

bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

今週の週次レポート:

今週のビットコイン(BTC)円は方向感に欠ける展開となり、27日正午時点で、1100万円周辺で推移している。 週初のBTCは1080万円近辺で取引を開始。

その後、トランプ米大統領がイランとの協議を通じて発電所やエネルギーインフラへの攻撃延期を表明したことで地政学リスクが一時後退。海外時間にかけては買いが優勢となり、1140万円台へ上昇した。

尤も、その後はイラン側が協議の事実を否定したことで情勢の不透明感が再燃。上値を抑えられつつも、売りは限定的で、24日から25日にかけては1,100万円台前半〜半ばでのレンジ推移が続いた。

25日には、イランが協議に一定の意欲との報道を受け、原油価格の上昇一服、米金利の低下といった複合的な要因が重なり、BTCは再び持ち直し、1,140万円近辺まで上昇。週内高値圏を試す展開となった。

ただし、26日にイランが、米国が提示した停戦条件を拒否すると、米国が地上戦を視野に入れた作戦「Final Blow(最後の一手)」を検討中と報道され、ナスダックは調整局面に入りと、BTCも反落。

27日朝方にはトランプ大統領が4月6日までの攻撃延期を発表したものの、地政学リスクの根本的な解消には至らず、1100万円近辺まで水準を切り下げている。

【第1図:BTC対円チャート(1時間足)】
出所:bitbankより作成

足元の最大ドライバーは引き続き中東情勢である。

米国は「イランが停戦に前向き」と主張する一方、イラン側はこれを全面否定しており、双方の認識には大きな乖離がある。さらに、米国は中東への兵力増強や「最後の一手」の検討、イランも100万人規模の動員を発表するなど、軍事的エスカレーションの兆候が強まっている点には留意したい。

加えて、週末にはパキスタンの仲介による協議が行われる観測もあるが、これが実現しなければリスクオフムードが一層強まる公算が大きい。また、戦争はこの週末で5週目に入り、トランプ政権が想定していた「4〜5週間」という時間軸に接近している。

ここからは、短期決着シナリオから長期化懸念へのシフトが意識されやすい局面とも考えられる。

他方、26日にはナスダックが調整入りとなり、一般的なリスク資産は軟調に推移している。その一方で、BTCは週高値こそ維持できていないものの、崩れる動きには至っていない。

特に注目すべきは、原油高によるインフレ懸念や米金利上昇といった環境下においても、金(ゴールド)が安全資産としての機能を十分に発揮していないなかで、BTCが相対的に底堅さを維持している点である。

この背景としては、年初来の調整で売り圧力が一巡していた可能性や、戦費拡大と金利上昇による財政悪化懸念が徐々に意識され始めているとの見方が、BTCの下支えとしてわずかながら作用している可能性がある。

すなわち、そもそも割安感があったBTCは、消去法的に逃避先として選ばれ始めているとも言えよう。 米・イラン協議の進展が見られない場合、リスクオフ地合いが意識されやすい一方、BTCには一定の逃避需要も見込まれ、下値は限定的となる可能性がある。 足元のBTCは、従来のリスクオフ時とは異なる挙動を見せている点が特徴的である。

中東情勢の帰趨が短期的な方向感を左右する状況は続くとみられるが、同時に、戦争長期化に伴うマクロ環境の変化が、中長期的な下支え要因として意識され始める可能性があると言えよう。

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

関連:ビットバンクプラス公式サイト

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