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2026年特に注目する「暗号資産・web3トレンド」は?有識者9人が予想

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2026年の注目分野

2025年は暗号資産業界にとって歴史的な転換点となった。

米国では、米SEC(証券取引委員会)による2024年1月のビットコイン現物ETF承認に続き、仮想通貨に肯定的なトランプ政権が発足。規制緩和への転換により、ブラックロックのiシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)とフィデリティ・ワイズ・オリジン・ビットコイン・ファンド(FBTC)などを通じた機関投資家の資金流入が本格化した。

RWA(実物資産)トークン化が急速に進展し、AIとブロックチェーンの融合による新たなユースケースも次々と生まれている。

日本国内でも大きな動きがあった。2025年10月には、資金移動業に基づく円建てステーブルコイン「JPYC」が正式にリリースされ、12月の税制改正大綱では暗号資産への申告分離課税(税率20%)導入が明記された。

2026年、業界を牽引するトレンドは何か。業界を代表する9人の著名人に、注目分野と投資家へのアドバイスを聞いた。

2026年の注目トレンド

回答者 注目トレンド 理由
大木 悠
Solana Japan 代表
DAT2.0 来年の注目テーマはDAT(デジタルアセットトレジャリー)2.0だ。2025年4月、米ナスダック上場のDFDVを起点にイーサリアムやソラナを活用したDATが誕生したが、市場下落でDAT株も低迷。資産を蓄積するDAT1.0は限界を迎え、今後はステーキングやDeFiに加え、自前プロダクトを各チェーン上で展開し収益を生み出せるかがDAT2.0の成否を分ける。日本が先行する可能性もある
小田 玄紀
SBIホールディングス常務執行役員 / JVCEA代表理事
オンチェーン化 インターネットの登場でこの30年間で様々な取引がオフラインからオンラインに変わったように、今後10年間でオフチェーンからオンチェーンに変わっていく。暗号資産のみならず金融商品や保険・預金などがオンチェーン化していく
加納 裕三
bitFlyer Holdings 代表取締役CEO / JBA代表理事
予測市場 米国で注目されている予測市場がグローバルで大きなトレンドになる。集合知として価値ある指標となり得るため、その成長に期待。日本では規制整備が不可欠であり、議論が進むことを期待
齊藤 達哉
Progmat 代表取締役CEO
資本市場の”主流”のオンチェーン化 海外では、DeFi業者がTradFiへ進出する動きが続く。日本は規制構造上、はじめからTradFiのオンチェーン化に正面から取り組んできたが、2026年はいよいよ資本市場の主流(株式・投信・国債・大口決済)までその動きが浸透する
白石 陽介
ARIGATOBANK 代表取締役
暗号資産の金商法移行 2026年は金商法移行に向けた法制度化が本格化。情報開示やセキュリティ基準の整備で投資家保護が強化され、より幅広い層への普及が期待される
東 晃慈
Diamond Hands CEO
国家のビットコイン保有 / BTC決済 25年は米国政府によるビットコイン準備金が期待ほどの結果にはつながらなかったが、水面下では進展しており、26年は「国家のビットコイン保有」でより多くのニュースが出てくると予想。米決済大手スクエアが本格的にビットコイン決済を推進することで、日常決済が離陸する可能性も
平田 路依
Avalanche Head of Japan
Privacy×AI / AIエージェントインフラ ブロックチェーンのPrivacy領域がAIのプライバシー技術と強力なシナジーを生みながら急速に成長。AIエージェントを本格的にブロックチェーン上で利用できるインフラ整備が進み、チェーンからアプリケーションへ価値転換が起きる
廣末 紀之
ビットバンク 代表取締役社長CEO / JCBA 会長
RWAトークン化の加速 米国の法整備進展により、既存金融機関・機関投資家の参入がより顕著に。ステーブルコインから始まったRWAの流れはさらに進展し、MMFや株式など、あらゆるアセットクラスのトークン化が加速。AIとの融合にも引き続き注目
渡辺 創太
Startale Labs CEO
ステーブルコイン実需拡大 / AIエージェント ステーブルコイン実需拡大、AIエージェントの普及、米国中間選挙と利下げ期待が主要トレンドに。規制明確化と金融緩和で資金流入が強まりやすく、RWAトークン化が米国を中心に急速に進む

※敬称略・50音順。

注目トレンドの分析

今回の調査では、「RWAトークン化」「AI×ブロックチェーン」「オンチェーン化」「予測市場」「ビットコイン」「金商法移行」「ステーブルコイン」など、多岐にわたるトレンドが挙げられた。

RWAトークン化

RWAトークン化については、MMFや株式など「あらゆる資産クラスのトークン化が加速する」(廣末氏)との予想が示された。米国の法整備進展により機関投資家の参入がより顕著になり、ステーブルコインから始まったRWAの流れがさらに拡大すると見られている。

国内では2025年11月、Progmat社主催の「デジタルアセット共創コンソーシアム」が株式STワーキンググループを設置し、30社以上の金融機関が株式のオンチェーン化に向けた検討を開始した。トークン化株式は1円単位での少額取引や24時間売買を可能にし、議決権や優待も付与される。

AI×ブロックチェーン

AI×ブロックチェーンでは、AIエージェントがオンチェーンで自律的に活動する「エージェントエコノミー」への期待が高まっている。平田氏は「AIエージェントを本格的にブロックチェーン上で利用できるインフラ整備が進む」と予想し、Privacy領域とAIプライバシー技術のシナジーにも注目している。

米大手取引所コインベースは、AIエージェントが自律的に売買を行う「エージェントコマース」に本格投資しており、エージェント間決済を可能にする「X402」プロトコルを開発。同社は「エージェントコマースがeコマースを置き換える可能性がある」と主張しており、2026年初頭にはさらなる採用拡大が見込まれている。

関連: AIが自律的に売買する時代へ、コインベースが描くエージェントコマースの未来|WebX2025

オンチェーン化

オンチェーン化というキーワードを挙げた小田氏は、「インターネットの登場でこの30年間で様々な取引がオフラインからオンラインに変わったように、今後10年間でオフチェーンからオンチェーンに変わっていく」と指摘。暗号資産だけでなく、金融商品や保険・預金などがオンチェーン化していく大きな変化を予測している。

ビットコイン

ビットコインについては、「国家のビットコイン保有」というテーマが2026年に再燃するとの見方が示された。東氏は「水面下では進展しており、26年はより多くのニュースが出てくる」と予想。

実際、米国では2025年5月にニューハンプシャー州が全米初となるビットコイン準備金法案を成立させ、6月にはテキサス州も「戦略的ビットコイン準備金」設立法案を可決した。連邦レベルでもトランプ政権が「戦略的ビットコイン準備金」と「米国デジタル資産備蓄」の設立を発表しており、国家によるビットコイン保有の動きは着実に進展している。

また、米決済大手スクエアが本格的にビットコイン決済を推進することで、日常決済というテーマが離陸する可能性も指摘された。

関連: ビットコイン準備金とは|米国・各州の法案動向まとめ

予測市場

分散型予測市場については、加納氏が「集合知として価値ある指標となり得る」と注目。米国での盛り上がりがグローバルに波及すると予測しつつ、日本では規制整備の議論が進むことへの期待を示した。

予測市場は近年急成長しており、ポリマーケットとカルシの2大プラットフォームは2025年11月に合計約80億ドル(約1兆2560億円)の取引高を記録。調査会社の予測では、2025年に400億ドル、2030年までには1兆ドル規模に達する可能性があるとされる。

米最大手暗号資産(仮想通貨)取引所を運営するコインベースも2025年12月に予測市場スタートアップThe Clearing Companyの買収を発表し、「あらゆる資産を扱う取引所」構想の実現を加速させている。

関連: 米最大取引所コインベース、予測市場事業強化へ新興企業を買収

金商法移行

制度面では、暗号資産の金商法移行に向けた動きが加速している。白石氏は「情報開示やセキュリティ基準の整備で投資家保護が強化される」一方、「取り扱い基準の明確化により銘柄・サービスの再整理が進み、web3ネイティブ層がDeFiへ傾斜することで市場の二層化が進む可能性」を指摘した。

2025年12月に決定された2026年度税制改正大綱では、暗号資産取引への申告分離課税(税率20%)の導入と3年間の繰越控除制度の創設が明記された。金商法改正を前提とした条件付き導入ではあるものの、暗号資産が「国民の資産形成」のための金融商品として位置づけられる方向性が明確になった。

関連: 税制改正大綱で仮想通貨税制が大きく前進、申告分離課税20%と3年間の繰越控除を明記

ステーブルコイン

ステーブルコインについては、渡辺氏が「実需拡大」を主要トレンドに挙げた。日本では、2025年10月にJPYC株式会社が資金移動業に基づく円建てステーブルコイン「JPYC」を正式リリース。リリースから約2か月で累計口座開設数1万件、累計発行額5億円を突破した。

発行されたJPYCの約半数がすでに償還されており、決済や送金など実需での利用が進んでいることがうかがえる。DeFi分野でのレンディング市場やステーブルコイン対応クレジットカードなど、エコシステムも急速に拡大している。

関連: 日本初の円建てステーブルコインJPYC、正式リリースへ

投資家へのアドバイス

回答者 注目ポイントとアドバイス
小田 玄紀 暗号資産を「正しく恐れる」ことが重要。過度な投資は避けるべきだが、触れないのも間違い。適度な範囲で触れてみて自分事にしていくべき
加納 裕三 自分がどのリスクを取っているのかを意識してほしい
齊藤 達哉 金商法移行は、暗号資産におけるDeFiの革新性が既存金融商品取引に波及しやすくなるか、逆にDeFiそのものを実質封じてしまうのか、どちらの可能性もある。最適なバランスに着地するために、利用者の声が必要
白石 陽介 取り扱い基準の明確化により銘柄・サービスの再整理が進み、web3ネイティブ層がDeFiへ傾斜することで市場の二層化が進む可能性に注意
東 晃慈 量子コンピュータの脅威が一時的にBTC価格に負の影響を与える可能性があるが、大部分は過剰な懸念であり長期的には心配不要
平田 路依 StripeのTempoのように用途に応じてEVMを拡張する独自チェーンが増える。インフラレイヤーがアプリ側の多種多様なニーズに対応できるかが鍵
廣末 紀之 高騰を続ける金、銀、銅などの商品から、デジタルゴールドであるビットコインへの資金流入を注視しつつ、米国株式市場の影響(中間選挙、FRB議長交代、AI産業の設備投資状況など)にも注意が必要

投資家へのアドバイスとしては、リスク管理の重要性を指摘する声が多かった。加納氏は「自分がどのリスクを取っているのかを意識してほしい」と述べ、小田氏は暗号資産を“正しく恐れる”ことの重要性を強調。過度な投資は避けつつも、触れないのも間違いであり、「適度な範囲で触れてみて自分事にしていくべき」とアドバイスした。

廣末氏は、暗号資産が機関投資家主導の相場に変容する中で「米国株式市場の影響を受けやすくなっている」と指摘。中間選挙、FRB議長交代、AI産業の設備投資状況など、株式相場の変動要素への注意を促した。

2026年は、暗号資産が「投機対象」から「実用的なインフラ」へと進化する転換点になる可能性がある。投資家にとっては、各トレンドの本質を見極め、過熱したナラティブに流されない冷静な判断が求められる年になりそうだ。

関連:2026年末のビットコイン価格はどうなる?有識者7人に予想を聞いた

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