はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 取引所 WebX
CoinPostで今最も読まれています

AIが自律的に売買する時代へ、コインベースが描くエージェントコマースの未来|WebX2025

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

コインベースの進化とAIイニシアチブ

東京で開催された大型Web3カンファレンス「WebX」に、米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースの事業開発担当副社長ダン・キム氏が登壇。AI領域で大きな注目を集める「エージェントコマース」への取り組みを通じて、同社がAI投資を本格化する背景を明らかにした。

キム氏はまず、10年以上前にビットコインの取引所としてスタートしたコインベースが、今ではステーブルコインUSDCの普及推進やEVM互換のレイヤー2ブロックチェーン「Base」の開発、 AIおよびAIを活用したイニシアチブに投資するコインベース開発者プラットフォームなど、単なる取引所から関連ツールや製品を提供する包括的なエコシステムへと進化したと述べた。

コインベースがAIに関心を持つきっかけとなったのは、昨年AIが急激にパワフルになった結果、ハッカーたちがLangChainのようなAIフレームワークを使い、コインのミントや裁定取引、高速取引からさまざまなブロックチェーンの関数呼び出しなど、「AIエージェントがオンチェーンで面白いことをやり始めた」のを目の当たりにしたことだったという。

「エージェントがトレーディングボットのように動作し始めたこと」に触発されたコインベースは、開発者のためのプロセスを簡易化するために、AIエージェントがブロックチェーン上で簡単にアクションを起こせるツールを開発した。

最初のプロダクト「Base Agent」(後に「AgentKit」と改名)は、Baseに限らず、どのチェーンでも使えるように設計されている。

「人間をループから外して、エージェントが自律的に物を売買できるようになると、とてつもなく面白いアイディアがどんどん出てくる」とキム氏は語る。

例えば、ChatGPTで物の修理の方法を尋ねると、そのやり方や何を買ったらいいかについてアドバイスしてくれるが、AIが実際に買うアクションを起こすことはできない。

エージェントが、チャット内でステーブルコインUSDCを使って買い物ができるとしたら、クレジットカード番号をAIエージェントに渡すリスクもなく、クレジットカードで処理できない少額決済が可能になると同氏は指摘。そして、このAIエージェントが自律的にものを売買する「エージェントコマース」が、コインベースが本気で取り組み、積極的に投資を行なっている新たな分野だ。

eコマースを置き換える

コインベースのAIへの最初の取り組みは、コインベースのツールを使ってオンチェーンアプリの構築を簡単にすることだった。例えば、AIが文書を取り込みやすいように最適化し、障壁を下げることに取り組んだ。

次いでAIがチャットだけでなく、物を売買する能力を持つためにはAI用のウォレットが必要だと判断し、エージェント用のウォレットを開発。その中で、ブロックチェーンの関数呼び出しができるように投資したという。

キム氏は、エージェントコマースが新たな産業となり、現在のeコマースを置き換える可能性があると主張する。

同氏は、何年もAIやブロックチェーンに携わってきたが、小さなスタートアップからGoogleのような大企業を含む全ての企業が、本気でこの領域に関心を寄せているのを見るのは、今回が初めての経験だという。

このように大きな注目が集まるエージェントコマースだが、問題となるのは、エージェント同士の支払いを可能にする標準がないことだとキム氏は指摘する。そこで、コインベースは「X402」プロトコルを開発し、エージェントコマースの基盤となることを目指している。

X402は、30年前のHTTPステータスコード「402 (支払いが必要)」を復活・拡張したプロトコル。402は「予約済み」となっているが、現在インターネットやAPIではほとんど使われておらず、放置された状態だった。

コインベースはこの402コードを使って、HTTP上でUSDCを使ったAIエージェントによる支払いを可能にした。Baseだけでなく、ソラナなど低コストのネットワークでも利用可能だという。

すでにFarcasterのようなWeb3企業がX402を使ってデータ売買を始めており、2026年初頭にはさらに多くの採用が見込まれるとキム氏は付け加えた。

チャンスの宝庫

キム氏はAIに興味があるなら、限りないチャンスがあるエージェントコマース分野に注目すべきだと主張する。

これは、今まで世界が見たことがないもので、仮想通貨やブロックチェーンは、より実用的に、より強力に、よりユーザーに使いやすく、そしてより現実味のある存在になっていくと思う。今、AIエージェント自体が”店”になるという考え方が出てきている。

キム氏は、エージェントコマースが「Googleやアマゾンの脅威」になる可能性があると指摘。すでに人々はGoogle検索よりChatGPTで製品を探すようになっており、検索エンジンや大手ウェブサイトは、近い将来、来訪者がいなくなることを恐れているはずだと語った。

検索活動の多くがAIチャットボットに移行している現状を踏まえ、Googleやアマゾンのような大企業も、エージェントフレームワークやチャットボットへの投資を加速させるだろうと同氏は予測。コインベースが開発するX402プロトコルには、すでに支払いを受け入れているプロジェクトが多くあり、「仮想通貨の次のフロンティアになる」と結んだ。

▼WebXとは

WebXとは、日本最大の暗号資産・Web3専門メディア「CoinPost(コインポスト)」が主催・運営する、アジア最大級のWeb3・ブロックチェーンの国際カンファレンスです。

このイベントは、暗号資産、ブロックチェーン、NFT、AI、DeFi、ゲーム、メタバースなどのWeb3関連プロジェクトや企業が集結。起業家・投資家・開発者・政府関係者・メディアなどが一堂に会し、次世代インターネットの最新動向について情報交換・ネットワーキングを行うイベントです。

数千名規模の来場者と100名以上の著名スピーカーが参加し、展示ブース、ステージプログラムなどを通じて、業界最前線、グローバル規模の交流とビジネス創出が行われます。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
05/14 木曜日
23:09
フィスコが仮想通貨事業から撤退 FSCC施策を全終了へ 
フィスコが仮想通貨FSCCのステーキング・決済など全サービスの停止を発表。2025年12月期分のバーンも中止する。FSCCの即時消滅や取引所対応への影響はないとしている。
18:34
米上場のナカモト、第1四半期純損失約375億円 BTC5000枚超保有も価格急落の影響を受ける
米上場のナカモトが2026年第1四半期決算を発表。BTC価格下落による評価損で純損失は約375億円(2億3,880万ドル)に達した一方、BTC Inc.ら買収によりビットコイン特化型企業としての基盤を確立した。
17:11
ビットコイン現物ETF、7日平均が1日約139億円の純流出、2月中旬以来最大ペース=グラスノード
米国ビットコイン現物ETFの7日移動平均純流出が1日あたり8,800万ドル(約139億円)に達し、2月中旬以来最大の流出ペースを記録。当時と異なり価格は8万ドル台で推移しており、機関投資家が反発局面を売却に充てている実態をglassnodeが指摘した。
15:58
ムーディーズが予測、「トークン化は金融インフラを変えるが銀行の排除は起きない」
ムーディーズがトークン化資産と仮想通貨決済の将来を3シナリオで分析。既存金融機関の役割は維持されるとしつつ、ステーブルコインやトークン化預金の台頭に注目。
15:31
クラリティー法、審議前夜の超党派協議が決裂か 党派対立での審議へ=報道
米上院の超党派交渉が決裂し、クラリティー法の委員会審議は党派対立に。倫理条項とBRCA条文の溝が合意を阻んだ。
14:00
平将明元デジタル相が日本版Project Glasswing始動を明かす
平将明 元デジタル大臣がT4IS2026で明かした最新政策動向とは。日本版Project Glasswingが8日にキックオフ、AIオンチェーン金融構想PTは連休明けに政策提言を公表予定。
13:55
米CFTCが予測市場含むイベント契約のデータ報告義務を執行見送り、取引所手続きを一本化
米商品先物取引委員会(CFTC)は13日、完全担保型イベント契約に関するスワップデータ報告・記録保管義務について執行を見送るノーアクション措置を発表した。予測市場で広く採用されるイベント契約を巡り、取引所や清算機関の手続き負担が軽減される。
13:25
ConsensysとLedgerが米国IPOを延期・保留、仮想通貨の冬が上場計画に影響
LedgerとConsensysが市場環境の悪化を理由に米国IPOの延期・保留を決定した。Krakenも無期限延期するなど、仮想通貨企業の上場計画が相次いで見直されている。2026年唯一の上場事例となったBitGoはIPO後に株価が35%下落しており、投資家心理の不安定さが浮き彫りになっている。
11:35
ビットコイン上昇は利益確定売りと米国での需要低迷により抑制=クリプトクアント分析
クリプトクアントが仮想通貨市場の週間レポートを発表。ビットコインは主要な抵抗線まで上昇後、利益確定売りなどにより上値が抑制されていると分析する。
11:20
ソラナ基盤ジュピター、ビットワイズ関与のレンディング市場をローンチ
ソラナブロックチェーン基盤のジュピターは、仮想通貨運用企業ビットワイズが関与するレンディング市場をローンチ。機関レベルの監督をDeFiレンディング市場に提供する。
09:59
キヨサキ氏、インフレ警告 金・銀・ビットコイン・イーサリアムで資産防衛促す
著名投資家キヨサキ氏がXに投稿し、イラン情勢と国家債務を背景にインフレリスクを警告。金・銀・ビットコイン・イーサリアムによる資産防衛を呼びかけた。
09:35
米金融大手フィデリティ、チェーンリンク基盤のトークン化米国債ファンド「FILQ」ローンチ
フィデリティが仮想通貨チェーンリンク基盤の機関投資家向けトークン化ファンド「FILQ」をローンチ。ムーディーズよりAAA格付けを取得した。ステーブルコインでの投資が可能。
08:50
新興ブロックチェーンの資金調達の3つの示唆、ビットワイズの幹部が提示
ビットワイズの幹部は、アークとカントンネットワークとテンポの新興チェーンを取り上げて仮想通貨の3つの示唆を提示。それぞれの資金調達や大手企業との協業が同時期に明らかになったことに注目している。
08:15
アンソロピックとOpenAIの未公開株連動トークンが40%以上急落、無効警告を受け
ソラナ基盤のPreStocksが発行するアンソロピックとOpenAI連動トークンが暴落。両社がSPVやトークン経由の株式譲渡を無効と警告したことが背景にある。
07:25
人工知能Claudeが11年間紛失のビットコイン復元に成功、6200万円超資産を救出
アンソロピック社のAI「Claude」が、11年間アクセス不能だった仮想通貨ウォレットから5BTC(6200万円超)を復元した事例が話題に。既存の復旧ソフトの不具合を特定し、自ら復号ロジックを書き換えるという、AIの高度な推論能力が実証された。
今から始める仮想通貨特集
通貨データ
重要指標
一覧
新着指標
一覧