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税制改正大綱で仮想通貨税制が大きく前進、申告分離課税20%と3年間の繰越控除を明記

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

政府・与党(自民党・日本維新の会)は19日、2026年度税制改正大綱を決定した。

暗号資産(仮想通貨)取引への申告分離課税の導入を大綱に盛り込み、税率は株式と同様の一律20%(所得税15%、住民税5%)となる。対象は「国民の資産形成に資する暗号資産」に限定され、現物取引、デリバティブ取引、ETF(上場投資信託)から生じる所得が分離課税の対象となる。

3年間の繰越控除制度も創設される。金融商品取引法改正を前提とした条件付き導入ではあるものの、2025年度大綱の「検討」段階から大きく前進した形だ。

税率20%、損益通算・繰越控除も導入

大綱では、「国民の資産形成に資する暗号資産」に限り、現物取引、デリバティブ取引及びETFから生ずる所得を分離課税の対象とすることを明記。「国民が安心して暗号資産市場に参加できる環境の構築を図る観点から、3年間の繰越控除制度を創設する」とした。

今回の改正により、暗号資産は株式投資と同様の税制上の扱いを受けることになる。株式投資では既に3年間の繰越控除制度が認められており、暗号資産も同等の制度が適用されることで、『国民の資産形成』のための金融商品として位置づけられることが明確になった形だ。

現行の税制では、暗号資産取引で損失が発生しても翌年以降に繰り越すことができない。また、その年の給与など他の所得との損益通算も認められていないため、損失を被った投資家の救済措置がない状態が続いていた。

新たに導入される繰越控除制度では、暗号資産取引で発生した損失を最大3年間繰り越し可能となる。翌年以降の暗号資産取引の利益と相殺できるため、長期的な視点での資産形成が可能になる。この仕組みにより、単年度での利益・損失ではなく、複数年にわたる投資成績全体で税負担が計算されることになる。

分離課税の対象となる「特定暗号資産」は、金融商品取引業者登録簿に登録されている暗号資産等に限定される。国内の暗号資産取引業者は、取引を行った居住者等の氏名・住所・個人番号等を記載した報告書を、翌年1月31日までに税務署長に提出することが義務付けられる。

なお、暗号資産の譲渡所得と他の総合課税の対象となる所得との損益通算は適用されない。また、5年を超えて保有した資産に係る譲渡所得の金額を2分の1とする長期譲渡所得の特例も適用されない。

金商法改正を前提とした制度設計

大綱では、分離課税の導入は「金融商品取引法等の改正を前提に」措置を講ずると明記されており、法改正を条件に2028年施行予定との見方が出ている

関連:日本の暗号資産規制、具体的な方向性は?──金融審議会WG

金商法改正案は2026年の通常国会に提出される見込み。

適用開始時期については、「金融商品取引法の改正法の施行の日の属する年の翌年の1月1日」以後に行う特定暗号資産の譲渡等について適用するとされている。

今回の大綱は、自維連立政権として初めての取りまとめとなる。「責任ある積極財政」の方針が明記され、手取りの増加が消費を上向かせ、景気の底上げにつながるかが焦点となる。

最大の焦点だった「年収の壁」については、国民民主党との合意に基づき、2026年から178万円への引き上げを明記。基礎控除を最大限受けられる所得層をこれまでの年収200万円以下から665万円まで広げる。

このほか、住宅ローン減税の延長やNISA(少額投資非課税制度)の拡充も盛り込まれた。NISAについては、毎月一定額を投資する「つみたて投資枠」を18歳未満にも解禁する。

今後の予想スケジュール

税制改正は例年、以下のようなスケジュールで進む。

時期 内容
12月中旬 与党内調整の上、税制改正大綱の決定
12月下旬 閣議決定、政府「税制改正の大綱」発表
1〜2月 税制改正法案を国会提出
3月 国会審議・法案成立・改正法公布
4月以降 改正法施行(施行時期は法令により異なる)

なお、暗号資産の分離課税については、金商法改正との連動や制度整備の進捗により、適用開始時期が変動する可能性がある。詳細は今後の国会審議等で明らかになる見込みだ。

業界関係者の反応

関連:暗号資産の申告分離課税が実現したら?押さえておきたい税務のポイント|Gtax寄稿

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