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仮想通貨詐欺容疑者が中国に送還、カンボジアでの逮捕とその背景

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

詐欺容疑者が中国へ送還

暗号資産(仮想通貨)詐欺を指揮していた容疑の実業家、チェン・ジー(陳志)氏がカンボジアで拘束され、中国へ送還された。カンボジア・チャイナ・タイムズが8日に報じた。

カンボジア情報省が7日、プリンス・グループの創設者兼会長であるチェン氏が今週初めに逮捕され、中国当局の要請により中国へ送還されたことを確認した形だ。チェン氏が中国で訴追されるかどうかについては明らかになっていない。

米国の検察当局は、チェン氏がカンボジアで人身売買の被害者を強制労働させる詐欺施設の運営を指揮し、仮想通貨投資詐欺やロマンス詐欺により数十億ドル規模の利益を得たとしている。

米司法省は昨年10月、チェン氏を送金詐欺や資金洗浄の容疑で起訴し、詐欺に関係する約150億ドル(約2.4兆円)相当のビットコイン(BTC)に加え、数億ドル相当の不動産やその他の資産の押収を求めていると発表していた。

資金押収方法をめぐり中国が非難

この事件では以前中国当局が、ハッキングにより米国が資金を押収した可能性を指摘する場面があった。

中国の国家計算機ウイルス緊急対応センターは昨年11月、2020年12月に発生した中国のビットコインマイニングプール「ルビアン」からの127,272ビットコイン(現在20兆円相当)の窃取事件について、米国政府が関与したハッキング作戦だった可能性があるとする報告書を公開した。

マイニングプールとは

複数のマイナー(仮想通貨採掘者)が計算資源を持ち寄り、協力してブロック報酬を得る仕組みのこと。

この「127,271ビットコイン」という数字は、米司法書がチェン・ジー氏の事件関連ですでに押収したと発表していた枚数と一致する。

中国当局は当時、「米国政府は、チェン被告が保有するビットコインを盗むために、2020年時点でハッキング技術を使用していた可能性がある」と述べていた。

また、これを「国家レベルのハッキング組織が画策した典型的な『黒は黒を食う』作戦」だと呼んだ。黒は黒を食うとは、違法勢力どうしが互いに不正な手段で奪い合うことを意味しており、米国が犯罪者と同じ手法を使ったことの非難を込めた可能性がある。

関連:中国がアメリカによる20兆円ビットコイン窃取を主張、ルビアンハッキング事件で

なお、米司法省は最近、ドナルド・トランプ氏による大統領令に反して押収したビットコインの一部を売却したと報じられているところだ。

関連:米司法省が押収ビットコインの一部を売却、トランプ大統領令に違反か=報道

中国では2021年9月以降、仮想通貨の取引とマイニングが全面的に禁止されているが、規制をかいくぐって取引などを続ける層がいることが報告されている。

ロイター通信が昨年11月に伝えたところによれば、新疆ウイグル自治区と四川省でマイニングが再開されており、中国は世界第3位のマイニング拠点として復活している。

こうした状況も背景にして、中国人民銀行は今月5日から6日にかけて開催された会議で、仮想通貨活動の監視を強化し、関連する犯罪活動の取り締まりを継続すると表明している。

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