JPMorgan:仮想通貨を銀行が検討するためには本人確認とマネロン対策の厳格化が鍵
- 前向きな姿勢
- JPモルガン社ブロックチェーンリーダーのUmar Farooq氏は、今後のソリューションとしてブロックチェーン技術や仮想通貨に対して前向きな姿勢を見せています。
- 小売銀行が仮想通貨を採用するための鍵は?
- 技術そのものより、それを取り巻くインフラ設備やKYC、AML対策の改善が今後のカギとなります。
一部の方はJPモルガンチェイス社がブロックチェーン技術に投資していると聞き驚くかもしれません。
JPモルガン社ブロックチェーンリーダー Umar Farooq氏は、銀行がブロックチェーン技術を応用した上で、ビットコインを好ましく思っている点を挙げています。
彼は2月7日アメリカニューヨークで行われたYahoo Finance All Markets Summit for Cryptoのスピーカーの一人でした。
彼は各銀行が既存問題のソリューションとして分散型台帳技術を応用することに目を向けている今、社内部によるブロックチェーンの“活発な開発”について話しました。
Farooq氏はブロックチェーン事業の代表であり、ビットコインに対して世間が思っている以上に前向きな姿勢をみせています。
彼は、『ブロックチェーンは善で、ビットコインは悪だという考えは仮想通貨界だけでなく、JPモルガン社にも根付いているのが現状です。我々は皆、ブロックチェーンが有望であると信じます。仮想通貨が悪いとまでは言いませんが、改善が必要なのは明確です。具体的に、問題点はKYC(顧客確認)とAML(マネーローンダリング対策)の規制です。銀行機関、規制者、中央銀行の方と対談しましたが、全ての方が仮想通貨のポテンシャルを感じています。その一方で、根本的に問題と戦う姿勢も見せています。仮想通貨が悪いとは言いませんが、何らかの発展は必須でしょう』と述べました。無視されてきた問題
一方で、彼は『無視されてきた問題』であるジェイミー・ダイモン氏による過去のビットコインの酷評に対しても肯定的な姿勢を見せ、いくつかの見方を示しています。
Farooq氏は、『彼は過去の意見を正し、考え方を変えています。ダイモン氏は常に仮想通貨とビットコインの区別をはっきりしてきました。仮想通貨に関して言えば、銀行が改善点を凝視している中で、彼のコメントは適格だったと思います。たくさんの規制者と対談しましたが、彼らも同じ考えを持っていると感じ取れました』と述べました。
しかしFarooq氏は、『現段階では、学習する必要がある』と述べ、近日JPモルガンが一般投資家向けにビットコイン商品を出すとまでは公言しませんでした。KYCやAMLの基準が定まれば、『小売銀行が真剣にこの商品の検討を始める』と話します。
革命的な影響
一方で、仮想通貨市場が初期の段階にあった頃から、JPモルガン社は過去二年間ブロックチェーン技術の研究をし、イーサリアム上でQuorumを開発しました。今ではジェイミーダイモン氏はブロックチェーン技術が脅威だとは考えないようです。
Farooq氏はブロックチェーン技術が(特に当事者間の信頼の提供として)銀行産業に“革命的な影響を”与えると信じています。
彼は、『常に信頼できるアドバイザーの役割は存在します』と述べ、銀行がインフラやデータレイヤーを促進する役割を果たす可能性を示しました。
『必ず役割はある。短期的に見て実存的な脅威ではない』と述べました。
対話用ブロックチェーンバーチャルルームが1500人に増えたように、ブロックチェーン技術はJPモルガン社を引き付けました。
彼曰く、彼のチームも小さく始まり、今となっては各事業部門にブロックチェーン専門の従業員がいるそうです。
ブロックチェーングループは決済、保管、資本市場など多面にわたって関わっています。
彼は、『我々のブロックチェーンに対する根本的なアプローチは、顧客の問題をどのように解決するかをベースにしています。8割がた、ブロックチェーンが問題ではなく、インフラ設備の問題にたどり着きます。しかしブロックチェーンが有望なソリューションであるという残りの2割に我々は注目します。今後数々のソリューションを提供できることでしょう』と述べました。
JP Morgan: Bitcoin Must Evolve, Blockchain’s Not a Threat
Gerelyn Terzo, Feb 10th 2018
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します