アルゼンチンなど南米3ヶ国、仮想通貨ビットコインの出来高が過去最高
ラテンアメリカ
P2Pビットコイン取引所「LocalBitcoins」が、アルゼンチン・ベネズエラ・チリの南米3ヶ国で、4月に過去最高の週間出来高を記録した。景気悪化や新型コロナが主な原因と見られている。
アルゼンチン
Coin.danceのLocalBitcoinsデータによると、4月18日までの一週間で、アルゼンチンペソ建てのビットコイン取引高は約70万ドルに相当。前週比で24%高となった。
仮想通貨リサーチ企業Arcane Researchの報告では、2018年以来、アルゼンチンペソ建てのビットコイン取引の出来高が10倍以上増加したことが判明し、投資家は自国通貨のハイパーインフレと金融不安定な状態から資金をビットコインに逃していると説明された。
最新の情勢では4月22日、アルゼンチン政府は同日が期日だった国債の約540億円に及ぶ利払いを停止。国債を保有する米欧の機関投資家に対し、5月8日までに利払いの62%削減および3年間の支払い猶予を含む債務再編案に同意するよう求めた。
このような状態で、デフォルト(債務不履行)のリスクが高まっている。
チリ
チリのLocalBitcoinsは4月4日までの一週間において、約40万ドルと過去最高の出来高を記録し、18日の週には27万ドルに反落した。
ビットコインの出来高急増はチリの法定通貨の価値低下が原因と見られる。FXサイトXEによると、直近2ヶ月だけでチリペソは対米ドルで6%安。コロナの感染拡大を受け、チリ政府が警察と軍による「ロックダウン」を実施するなど、自国経済は立て続けに打撃を受けている。
ベネズエラ
さらに、ハイパーインフレに陥っているベネズエラで、LocalBitcoinsの出来高は同週で28%高、約315万ドルを記録した。
ベネズエラはこれまでもビットコインに対する需要が高い国として知られ、ハイパーインフレーションから仮想通貨への資産逃避の需要が拡大している。
ベネズエラ投資家の需要に対応するために、バイナンスは先日、ベネズエラのボリバルでのP2P取引を開始した。
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します