給付金配布にブロックチェーン活用を 米議員11名が財務省へ意見書
民間のイノベーションを活用
アメリカ議会に属する議員らが、コロナ危機の中で、経済活性化を行うために打ち出した経済支援策などにサポートを目的として、ブロックチェーンや分散台帳技術の利用促進を求める意見書を米国財務省宛に提出したことがわかった。
意見書はダレン・ソト下院議員が中心となって11人の議員による署名がなされている。
ブロックチェーンや分散台帳技術の活用は、資金を透明性かつ素早く移動することを可能にするとして、連邦政府が行うコロナウイルス支援・救済・経済保障法(CARES法)に伴う支援策の資金分配などで流動性を高める手段になると訴えた。
同技術が、新型コロナウイルスに関わる行政のサポートを行える技術的なイノベーションであるとした上で、このような危機も技術を発展する一つのきっかけになると主張している。
政府が給付金を付与し、追跡することを果たすために、財務省に民間企業のブロックチェーンやDLT技術の利用を強く推薦する。
米国で3月下旬に成立した「コロナウイルス支援・救済・経済安全保障法」(CARES法)は、コロナウイルスに関する支援、救済、経済保障法だ。給与支援プログラム(PSP)もCARES法の下で運用されている。
打撃を受ける中小企業向けの融資に3490億ドルが割り振られ、ほとんどの国民に1200ドルの直接給付金が支給される巨額の経済対策を打ち出したが、スピード重視の約束とは裏腹に、システム障害や政策の細部を巡る混乱などが影響し、手元に資金が届いていない状況もある。
今回、ブロックチェーン技術に焦点が当たったのは、これら送金に関わる行政処理を効率かつ素早く行い、正確に資金を届けるための解決法を模索していたことも背景にある。給付金を発表した日本にも関わる内容と捉えることもできる事例といえよう。
中国の動きに危機感も
また、意見書の中では中国がブロックチェーンプラットフォームのローンチを発表したことに触れる内容も確認された。
中国の国家ブロックチェーン・プラットフォームである「BSN」(ブロックチェーン・サービスネットワーク)は25日にローンチされ、イノベーション促進にむけ国を挙げて取り組んでいる。
ブロックチェーン業界では、規模、技術力などの面で中国と米国という二大国がリードしているといってよい状況だが、アメリカが後れを取っているという危機感も背景にあるようだ。
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