ビットコインが送金遅延 仮想通貨市場の高騰で
ビットコインが送金遅延
仮想通貨市場が高騰した4月30日から、ビットコイントランザクションが混雑している。
ビットコインネットワークのメモリプール(mempool)の容量が急増、未確認トランザクション数が8万件に達した。
8万件の数字は、バブル相場が終わった2018年中旬移行で最も高い水準付近にある。それだけ、ビットコインを動かす需要が発生していたことを意味する。
最もトランザクションが混雑したバブル時データ:ビットコインの拡張性が問われた「スケーラビリティ問題」が盛んに議論された2017年末では18万トランザクションが詰まる状況が確認されている。
メモリプールとは
メモリプール(mempool)とは、ユーザーによって送信された取引が一時的に置かれるプールのことで、正しいnonceを発見したマイナーが、メモリプールからブロックを作成しブロックチェーンにつなげる権利を獲得し、ブロックが生成される。
有効なトランザクションが、ビットコインネットワークによって確認されるのを待つ「待機所」のイメージだ。待機トランザクション数が増加することで、送金が完了までの遅延や、トランザクション手数料の高騰に繋がるケースもある。(ブロックの最大サイズが決まっていることや、高い手数料のトランザクションを優先するため)
手数料と承認時間の状況を、bitcoinfees.earn.comで確認すると、送金が遅延しない(待機時間がゼロの可能性が高い)手数料のゾーンは、99〜100Satoshi。送金をスムーズに行える最安値基準では、すでに手数料の高騰が確認される。
現時点では、送金遅延や手数料の高騰は、一時的なものであることが予想される。
要因は?
要因については、マイニングプールのハッシュレートの低下が確認されていないことから、送金需要の一時的な拡大が要因になると考えられる。
- ビットコイン高騰に伴う売買需要
- 価格乱高下に伴う裁定取引需要
- BitMEXから出金を行う日本人トレーダー
主な要因は1と2が該当すると考えられるが、BitMEXが5月1日より、日本国居住者の取引を禁止する関係から、引き上げラッシュも一つの要因となっている可能性が指摘されている。
BitMEXでは、日本で5月1日から施行される仮想通貨関連改正法案に対応するとして、既存ユーザーは5月1日をもって、日本からBitMEXを利用した取引の制限を発表している。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します