仮想通貨0x(ZRX)が先週比190%高 ステーキング期間の短縮などが背景に
0x価格急騰
仮想通貨(暗号資産)0x(ZRX)の価格がこの一週間で約3倍高騰。
今週前半まで0.20ドル前後で取引されていた0xだが、その後価格が急騰し、8日には一時0.56ドル前後まで到達。2月の年初来最高値を更新した。
0xプロジェクトはイーサリアムブロックチェーン基盤の分散型取引所(DEX)プロトコルで、ZRXはそのネイティブトークンとして発行されている。
分散型取引所とは、顧客の資産を一元的に管理するこれまでの中央集権的取引所とは大きく異なった仕組みを持つ取引プラットフォームになる。DEXでは、管理者はおらず、顧客はP2P、個人対個人で取引を行い、その内容はブロックチェーンに記録される。
今回の価格急騰の材料になったと考えられているのが、8日に発表されたステーキング報酬のサイクルの変更だ。
ステーキング報酬のサイクルが変更
0xは最近、ステーキングの期間を調整するためのコミュニティ投票(ZEIP-77)を行った。
投票の具体的な内容は、ステーキングのエポック(周期)をこれまでの10日から1週間となる7日へと変更を行うことを提案するもの。これにより7日というよりシンプルな形でのサイクルになるほか、期間が短くなることでステーキング運用をより柔軟に変更できることが期待されていた。
この投票は5日に終了し、可決されたことでステーキングによる報酬は7日ごとの受け取りへと変わった。この発表を材料視し高騰を後押しした可能性がある。
0xの出来高は今年に入り急増
0xに関するデータやニュースなどを配信している0xTrackerは4月のレポートを先日公開し、今年に入ってDEXの出来高が大幅に増えていることが分かった。
2019年は年間を通してひと月3000万ドル前後で推移していた0xの出来高は、今年1月は変わりがなかったものの、2月になりその倍以上で7000万ドル付近に上昇、さらに3月には1.1億ドルに達した。4月には9000万ドルにやや届かない程度に収まったという。
一連の出来高の増大は0xが1月末にローンチした0x APIの影響とみられる。0x APIを利用することで開発者らはDEXの流動性を簡単に活用することができる。また、0xはKyber、Oasis、Uniswapからの流動性を集めており、複数のDEXの流動性を一度に提供することを特徴とする。
公式の説明によると、例えば売り注文の半分を0xで、残りをKyberなどの分散型取引所で自動的に実行するといったことにより、ベストな価格を提供できるという
「Matcha」のローンチへの期待
4月16日には、0xが開発するDEX「Matcha」のローンチが2020年のQ2に行われることが発表された。
0x APIを使用するMatchaに関して詳細な内容やそのローンチまでの日程は明らかにされていないものの、コミュニティから注目されている。
現在はサイト上で事前登録者の受付を行っており、公式によるとすでに1500人以上がMatchaの早期アクセス待ちに登録しているという。
参考:0x.org
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