「ビットコインクジラの生息地」仮想通貨取引データから判明した資金ルートなどの実態
クジラ取引数で断トツトップの取引所
リサーチ企業Kaikoが7日に発表したレポートによれば、ビットコインの大口投資家を示す”クジラ”が6月に最も利用した取引所は、中華系大手のOKExだった。調査対象の取引所(現物取引のみ)の中で、6月において最も取引数が多かったのは、計8500BTCを記録したOKEx。バイナンス、Huobi、コインベースもランクインした。
クジラの平均取引数
平均取引数が最も多い取引所でもOKExが1位。1取引あたりの平均額は33.08BTCで、2位のBitstampや3位のBitfinexの20BTC強を上回った。LiquidやGemini、bitFlyerなどの取引所の平均取引額は、15BTC以下に留まる。
日平均取引数でもOKExがトップで、約300BTC〜500BTCの水準に。
USD(米ドル)よりもUSDT(テザー)
大口投資家の傾向として、ビットコインの取引ペアは米ドル(USD)でなく、USDの代替手段となるテザー(USDT)が最も利用されている。Kaikoは、「USDペアよりもUSDTペアを取り扱う取引所の方が、クジラ取引ボリュームが増える傾向にあることが証明された。」と指摘している。
USDTを取り扱うOKExやHuobi、バイナンス、Bitfinexなどの取引所もクジラの生息地として上位に位置しており、中国人民元の対ドル推移に不安が募るなかで、厳しい資本規制を受ける中華系大口投資家の需要も垣間見える。
USDの入金は、米国や一部の欧州国の取引所に原則限られることから、それらの銀行口座を持たない海外トレーダーはUSDTを取り扱うグローバル取引所に集まりやすい、といった有識者見解も見られる。大口の資金は、USDTを介してビットコインへ流れることが多いとされる。
参考:Kaiko
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します