仮想通貨送金の国際ルール、具体的な対策案発表へ 仮想通貨取引所など米企業が連携【FATF】
大手取引所がFATF対策
大手仮想通貨(暗号資産)取引所が協力し、金融活動作業部会(FATF)の「トラベル・ルール」を順守するための対策について、ホワイトペーパー(事業計画書)を来月にも発表する。
トラベル・ルールは、仮想通貨取引所などのサービス・プロバイダー(VASP)に対し、取引の際、送金者と受取人の情報を収集・交換し、その情報の正確性を保証することを求めている。ホワイトペーパーでは取引所間の透明性を高め、どのように情報を共有するか枠組みを提示する。
米仮想通貨取引所コインベースと米大手カストディアンBitGoが、このプロジェクトのワーキンググループに参加。CoinDeskは、コインベースの法令順守責任者にも本内容を確認している。このプロジェクトは、マネーロンダリング対策(AML)に関するFATFのガイドラインを業界が順守することをサポートすることが目的だ。
またTheBlockが20日に報じた内容によれば、取引所間で、P2P形式の電子掲示板にようなもので顧客の情報を共有する計画だという。送受金者のアドレスを双方の取引所が掲示板で共有し、個人情報をハッカーに攻撃されないように交換する仕組みだという。
今後はGeminiやクラーケン、Bittrexがワーキンググループに参加する予定となっている。
FATFのトラベル・ルール
FATFがトラベル・ルールを発表したのは昨年の6月。FATFが示すガイドラインや勧告自体に法的拘束力はないものの、加盟国に対して審査を行い、マネーロンダリングやテロ資金供与の対策において、ハイリスク・非協力国リストを公開するため、世界の金融ネットワークに対して多大な影響力を持っている。
FATFが示したガイドラインをもとに、各国の規制当局がルールを定めることになっており、昨年6月の時点でガイドラインの採用までに12カ月の準備期間を与えたが、現在は次の期限を来年の6月としている。
最新の情報では、FATFは今年10月に仮想通貨のグローバル規制に係る会合を行う。目的は、グローバル規制を強化するフレームワーク(枠組み)の制定。トラベル・ルールの施行を促進するために、グローバルなフレームワークを作り、VASPの情報交換・相互協力を強化する。
上述した取引所の取り組み以外でも各国・地域でFATFのルール対策は進んでいる。最近では、台湾拠点のブロックチェーンセキュリティ企業CoolBitXと、英国を拠点としてマネーロンダリング対策ソリューションを提供するEllipticが提携を発表。両社で包括的なソリューションを提供していくとしている。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します