テザーの信用リスクを予想して取引、仮想通貨USDTのCDS商品が誕生
テザーの財務流動性に対する保険
仮想通貨市場最大規模のステーブルコイン、テザー(USDT)の裏付け資金の問題を受け、 信用リスクを予想して売買する金融派生商品CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)をデリバティブ取引所Opiumが開始することがわかった。
クレジット・デフォルト・スワップとは、「企業の債務不履行にともなうリスクを対象にした金融派生商品。対象となる企業が破綻し金融債権や社債などの支払いができなくなった場合、CDSの買い手は金利や元本に相当する支払いを受け取るという仕組み」(野村證券参照 )
テザー(USDT)については、発行に係る裏付け資金(米ドルおよびその他の流動性資産)に不透明性が、市場の大きな課題にあり、大規模な払い戻しとなれば、債務不履行(デフォルト)が発生する可能性も懸念されている。
今回開始されるUSDTに特化したクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)は、USDTが1ドルの水準からある基準値より下落する状況が債務不履行にあたると設定される。例えば、1ドルから0.7ドルに下落すれば、CDSの売り手は契約の満期時に買い手に0.3ドルの支払いを行うことになる。
また、金融業界のCDSとは異なり、OpiumのCDSはイーサリアム基盤のスマートコントラクトが応用される。
Opiumの創設者Andrey Belyakov氏はCoinDeskの取材に対し、「ユーザーはUSDTの財務流動性のリスクをヘッジする、または投機目的でもCDSを利用することは可能だ」、とコメントしている。
満期時に、USDTが買い手の設定した水準より下落していなければ、CDSの売り手は買い手に支払いすることなく、CDSのプレミアム(額面金額)を得ることになる。(プレミアムはそれぞれの基準値設定によって異なる)
一方、CDSの誕生を受け、テザー社のCTO Paolo Ardoino氏は、代表者を通じて「テザー社の財務流動性が充分であるため、このCDSは我々のコミュニティにとっては関心度が低い」と反論するコメントを残している。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します