人気アイドルグループ「SKE48」のデジタルトレカが即完売 イーサリアムERC721を活用

SKE48のデジタルトークン発売

日本のブロックチェーン企業、株式会社coinbookが、10月3日よりトレーディングカードのプラットフォーム「NFTトレカ」を立ち上げた。

コンテンツ第一弾として、名古屋市栄を拠点とするアイドルグループ「SKE48」の大型配信ライブの撮りおろし画像を収録した「いきなりNFTトレカ」を発売した。

イーサリアムのERC-721トークンに準拠しており、芸能アイドル分野でNFTを活用したデジタルトレーディングカード発行は日本企業で初の事例だ。

10月3日の20時30分から限定100パックで販売された「先行Specialパック(会いたかった公演)」は即完売となり、人気の高さを示している。

ブロックチェーン技術により作成されたデジタル・トレーディングカード「NFTトレカ」の、「NFT」とは「非代替性トークン」のことで、そのアイテムが固有の価値を持つ唯一無二のものであると保証することができる。ゲームのアイテムや、会員権、所有権など、活用の幅は広い。

ゲームのケースでは、NFTトークンでトレーディングカードを作成することにより、交換履歴や所有権のデータがブロックチェーン上に記録され、不正流通を防ぐこともできるようになる。

一方、今回の「NFTトレカ」では、タレント名、公演名、発行枚数、購入者などのデータがブロックチェーン上に記録され、ユーザー間で売買された場合は新しい持ち主の情報が追加される。

こうした履歴を、誰でもオンラインで確認することができるようにして、カードの真贋性を保証する。

デジタルでありながら、従来の紙ベースのトレーディングカードのように固有の価値を持ち、コレクションを楽しめる仕組みで、さらに真贋性などトレーサビリティ面は強化される格好だ。

 「価値のインターネット」へ

プレスリリースで、株式会社coinbookは、これまでインターネット文化ではコンテンツが無料であることが多かったが、ブロックチェーン技術により、デジタルデータが価値を持つ「価値のインターネット」の時代が到来すると指摘。次のように今後の抱負を述べた。

「NFTトレカ」は、データとしてのコレクションを既存のトレカのような独自性を保ったまま、コンテンツに価値を付与し、安全に個人の資産として楽しむために開発されました。
今後、「NFTトレカ」を皮切りに、コピー可能なデジタルコンテンツに価値の付与(NFT化)を促進し、今まで不可能だったデジタルコンテンツのユーザー間の売買を暗号資産で可能にするNFT流通市場の事業化を推進します。

NFTトークンの活用例として、上図のようにチケット、ゲーム内アイテム、電子書籍、車の所有権、高級ワイン、デジタルキャラクターなどを挙げている。

活気づくNFTトークン市場

NFTトークン市場は活気づき始めており、国内大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインチェックも参入を表明した。

NFT市場規模は、19年度は200億円、本年度は300億円と、まだ仮想通貨市場全体の1/1000程度だが、今後は、著作権などを持つ大手事業者が参入するにつれ、巨大な市場に拡大する可能性があると見込んだという。

関連:コインチェック参入のNFT市場が活性化、RARIなど関連銘柄高騰も

最近の事例では、人気を博したブロックチェーンゲーム「CryptoKitties」の開発企業「Dapper Labs」が、米プロバスケットボールリーグ(NBA)とコラボして「NBA Top Shot」というゲームを開発した。

ゲームでは、試合中の選手の写真やプレイ動画がカード化されており、ユーザーはカードパックを購入することでコレクションすることができる。外部のNFT市場でトレーディングすることも可能だ。

関連:Dapper Labs、米プロバスケ選手のNFTを使ったBCゲーム「NBA Top Shot」正式リリースへ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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