FTX運営の分散型仮想通貨取引所Serum、トークンバーン開始
Serumエコシステムニュース
仮想通貨デリバティブ取引所FTXが運営するDEX(分散型取引所)のSerumでは、エコシステム内で大きなニュースが立て続けに発表されている。本記事では、そのうちのいくつかに焦点を当てて紹介する。
SRMトークンのバーン
異なるブロックチェーン同士での高速なトレードが特徴的なSerumでは、独自のユーティリティトークンであるSerumトークン(SRM)のバーン(焼却)が開始された。9月25日の最初のバーンで196,592SRMがバーンされて以降、毎週バーンが行われている。
Serumでは、トレード毎にユーザーに対して手数料が課され、徴収された手数料は全てバーンされる。トークンをバーンすることで供給量が減り、相対的にトークンの価値が上昇し、SRM保有者に価値が還元される仕組みになっている。
SRMとは
SRMは、Serumで様々な用途で利用されているSPL(Solanaのトークン規格)だ。トークン発行の上限は100億に設定されている。全てのSRMのうち、現在流通しているのは10%のみで、残りの90%はローンチから1年間ロックされたままで、2021年8月より6年間かけて徐々に市場に出回るように設計されている。これは、コミュニティにSerumの長期的な成功に貢献してもらうためである。
SerumにはSRMの他に、MegaSerum(MSRM)というユーティリティトークンが存在している。MSRMは発行上限が1000しかない希少性の高いトークンだ。1MSRMは100万SRMに等しいが、Serum上での利用価値を考慮すると、100万SRMよりも1MSRMを保有する方がメリットが多い。
以下がSRMおよびMSRMの利用方法だ。
- Serumでの手数料支払い
- SRM保有者の場合、Serum手数料が最大50%オフ
- MSRM保有者の場合、Serum手数料が最大60%オフ
- ネットワークパフォーマンを最適化するためのノードへのステーク
ノードはSerumにおいて、クロスチェーン決済承認のブロックチェーン履歴を提供するなど重要な役割を果たしている。ノードにステークしたSRM保有者は、ノードのパフォーマンスに応じてステークの報酬を得られる。
Wormhole
FTXがSerumの基盤として採用したSolanaが、Solanaブロックチェーンとイーサリアムブロックチェーンを繋ぐプロジェクト、Wormholeを今月8日に発表した。
Solanaはブロックチェーン関連のスタートアップCertus Oneと提携し、Solanaブロックチェーン上で初の、安全性の高い分散型クロスチェーン(異なるブロックチェーン同士が接続すること)ブリッジ、Wormholeを開発している。
Wormholeでは、スピードとスケーラビリティを特徴としたSolanaの技術を活用することで、イーサリアムブロックチェーン上に存在しているプロジェクト、プラットフォーム、およびコミュニティは、円滑に資産を移動することが可能になる。ユーザーは、イーサリアムのネットワーク効果を享受しながら、高速処理および低コストといったSolanaの恩恵を受けることができる。
Wormholeでは、Guardian(ガーディアン)と呼ばれる、分散型クロスチェーンのオラクルが使用されている。Guardianは、Solanaのバリデータおよびその他のエコシステムのステークホルダーを含む、一連のノードによって運営されている。各ノードのインセンティブは、SolanaおよびSerumと強く関連している。Guardianが、Solanaまたはイーサリアムブロックチェーン上のトークンのロックおよびバーンを承認し、もう一つのチェーン上で新たなトークンを発行またはリリースする。
参考:Solanaプロジェクト、イーサリアムのネットワークへ双方向に接続する「Wormhole」を発表
SenSwap
Serumは、Serumエコシステム内で初のAMM(Automated Market Maker)である、SenSwapを発表した。まだ詳細は開示されていないものの、今後Twitterを通して情報が更新されていく見込みだ。
AMMとは、DEXで頻繁に見られる仕組みだ。AMMでは、スマートコントラクトを利用してトークンのプールを作り、そのプールにユーザーがトークンを提供することで、オーダーブックを使わない方法でトレードが行える。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します