CoinPostで今最も読まれています

FTX、分散型取引所Serumをローンチへ 採用した「Solanaブロックチェーン」の利点とは

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

FTXがDEXをローンチへ

仮想通貨(暗号資産)取引所FTXが、新たに分散型取引所(DEX)「Serum」をローンチすることが分かった。

スケーラビリティの高いブロックチェーン「Solana」を活用して、高速処理を実現するノンカストディアルなDEX「Serum」を構築する。Serumは現物やデリバティブ向けの取引所となる予定で、流動性も高め、DeFiにおける既存の問題解決を目指すとしている。

FTXはデリバティブを初め、様々な金融商品を取り扱っている取引所だ。ビットコイン(BTC)価格のボラティリティやマイニングにおけるハッシュレートも商品化。DeFi分野などセクターごとのインデックスモデルを提供していることも特徴にある。今年2月には、米大統領選挙の結果予測を収益化できる先物の提供を開始したことも注目を集めた。

関連仮想通貨取引所FTX、XRPの現物取引を開始

現在準備を進めるSerumが利用するブロックチェーン「Solana」は、イーサリアムのブロックチェーンよりも処理が速く、手数料も安いことが特徴だ。現在イーサリアムは1秒間に約15取引を処理しているが、Solanaは5万取引を処理することができるという。

分散型取引所としてシームレスな板取引の実現と、流動性の確保を目指せる点がFTXの採用理由になった可能性がある。現在DeFiに広く利用されているイーサリアムと互換性があることも強みだ。

関連イーサリアム、年初来高値更新の「背景」は

Solanaのネイティブ通貨であるソラナ(SOL)は、FTXやバイナンスなどの取引所にすでに上場しており、25日から価格が上昇。約104円から一時211円を超え、2倍超まで上昇している。

出典:CoinMarketCap

FTXの担当者は仮想通貨メディアCoinDeskに対し、Serumに上場する商品はユーザーが決めると説明。Serumは数週間でローンチできると述べている。

Solanaについて

Solana(SOL)の特徴

Solanaは、世界の金融システムを民主化することを目的に開発されており、200以上のノードによって、前述した秒間5万トランザクションの処理能力を実現するプロジェクト(現在メインネットβ版)。

同プラットフォーム上のネイティブ通貨「SOL」は、ステーキング、トランザクション手数料、ガバナンスに使用。他の高スケーリングプロジェクトとは違い、レイヤー2のソリューションに頼らず、レイヤー1で高スケーリングを実現していることが特徴である。

SOLの発行用途

SOLの発行用途は以下の通り。

ステーキング
バリデータは一般的なハードウェアを使用することでステーキングを行うことができる。また、SOL保有者はバリデータにステーキングを委任することも可能だ。将来的にはネットワーク保護の観点からスラッシングも導入予定。
トランザクション手数料
SOLを使用して、トランザクション手数料とスマートコントラクトの実行手数料を支払うことができる。推定手数料は、100万トランザクションに対して約10ドル(約1050円)。
ガバナンス
将来的なガバナンス投票を想定。

コンセンサスアルゴリズムの概要

SolanaのProof of History(以下、PoH)上で実行されるTower Byzantine Fault Tolerance(Tower-BFT)は、PoHに最適化されたPBFTに類似したコンセンサスアルゴリズムで、通信のオーバーヘッドとレイテンシーを削減する。

メインネットはDelegated-Proof-of-Stake (DPoS)の採用を検討しており、トークン所有者にステーキングを提供する予定。

通常、スケーラビリティと分散性はジレンマの関係にあり、分散性を高めるためにノードを増やすと、すべてのノードに全データを伝搬するのに必要な時間が長くなるため、スケーラビリティ性能を犠牲にすることになる。しかし、ソラナは「Turbine」と呼ばれる伝播プロトコルを採用することによって、この課題を解決している。

例えば、バリデータが1000個のデータを処理する場合、1000個を順に送信するのではなく、データをパケットと呼ばれる小さなサイズに分割する。その後、分割されたパケットをネイバーと呼ばれるグループに送信。ネイバーは受け取ったパケットを隣接するネイバーに送信することで、スケーラビリティと分散性を維持している。

ユースケースの紹介

Solanaの公式サイトでは、高速なブロックチェーンのユースケースの一例として、分散型取引所、ペイメント、分散ファイルシステム、広告枠の交換所を挙げている。

また2020年06月15日、メッセージングアプリを開発するKinは、StellarブロックチェーンからSolanaブロックチェーンへの移行に対して理事会で投票を行い、11対0で移行計画がスタート。これは、増加するアクティブユーザーに対応するための判断だ。

さらにUSD、EUR、KRT、JPYなどさまざまな通貨をサポートしているステーブルコイン「Terra」が、Solanaとの提携を発表。Terraとのステーブルコインのサポートによって、DeFiエコシステムの加速を目的としている。

基本情報

時価総額 3,464,982,419円
単価 200円
ランク 161位
初回発行枚数 500,000,000SOL
現在の総発行枚数(burnによる減少*1) 488,625,461SOL
現在の流通枚数 17,245,766SOL
主要な取引所 バイナンス、Bithumb
今後の大きなイベント 2020年第3四半期 メインネットリリース

(2020年07月27日時点)

*1ユーザーがいつでも市場で売買できるようにすることを目的に流動性供給された11,365,067SOLが焼却された。

*2アジアマーケットにも力を入れており、日本においてはCoinChoiceでの記事配信、日本語でのMedium運営を行なっている。今後はSNSチャネルの拡大、イベント開催をするために動く予定。

参考資料 : Solana

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
10:20
大統領候補ケネディJr氏、米政府のビットコイン積立を提唱
ケネディJr氏は、米大統領に当選した場合、政府が財務資産として仮想通貨ビットコインを毎日購入し積み立てるようにすると話した。
09:45
3兆円運用の米ミシガン州の退職年金基金、10億円以上のビットコイン現物ETF保有
仮想通貨ビットコインの現物ETFに対する米国の年金基金からの需要は増加傾向にある。運用資産総額3兆円に相当するミシガン州の退職年金はウィスコンシン州とニュージャージー州のジャージー市の年金基金に続き、ビットコインETFの株を保有していることを報告した。
08:10
マスク氏のX(旧ツイッター)、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除か
イーロン・マスク氏がオーナーのX(旧ツイッター)は、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除した。ドージコイン擁護のためか。
07:35
BitwiseのETH現物ETFの横断幕、NYSEに掲揚
仮想通貨運用企業Bitwiseのイーサリアム現物ETFの横断幕が、ニューヨーク証券取引所に掲げられた。同社は、取引終了のベルを鳴らすことも報告している。
07:05
野村傘下のレーザーデジタル、利回り提供のイーサリアムファンド販売予定か
野村ホールディングスの仮想通貨資産子会社であるLaser Digital(レーザーデジタル)は、イーサリアム現物ETFの代替商品の導入を計画しているようだ。
06:40
米SEC、グレースケールのミニ版ビットコインETFを承認
仮想通貨投資企業グレースケールが提供するGBTCは手数料(1.5%)が最も高く資金流出は続いていたが、新商品を導入し0.15%という業界最安の手数料設定で競争力を高める狙いだ。
06:20
ビットコイン価格が21年後に最大で75億円に到達か、マイケル・セイラー氏の強気予想
ビットコインを最も保有する米上場企業マイクロストラテジーのマイケル・セイラー氏はカンファレンス「ビットコイン2024」で、BTCの今後の強気予想のプレゼンテーションを行った。
07/26 金曜日
17:10
「米大統領選で価格変動 トランプやハリス由来のミームコインの買い方
トランプトークンの概要 ドナルド・トランプ前米大統領とその「Make America Great Again」(アメリカを再び偉大に)というスローガンからインスピレーションを得…
17:10
ヤマハ発動機が初のVTuberコラボNFTを発行、Yamaha E-Ride Baseを訪れて進化可能
ヤマハ発動機が初のNFTデジタルステッカーを発行。横浜のYamaha E-Ride Baseで進化するダイナミックNFTを体験し、限定グッズをゲットできる。
15:13
ビットフライヤーがFTX Japan買収完了、カストディ事業展開へ
株式会社bitFlyer HoldingsはFTX Japanの株式100%を取得し、完全子会社化を発表。8月26日までに社名を変更し、クリプトカストディ事業を展開予定。法制度整備後の暗号資産現物ETF関連サービス提供も視野に入れている。
14:43
Neo Xメインネットが正式稼働 EVM互換でネオのエコシステムを拡張
Neoは高性能EVMベースのサイドチェーン「Neo X」のメインネット正式稼働を発表。クロスチェーンブリッジで流動性と互換性が向上し、エコシステムの可能性が広がる。
14:15
カマラ・ハリス氏のミームコインが過去最高値を記録、大統領候補指名の期待受け
PolitiFiと呼ばれる政治パロディのミームコインが、仮想通貨領域で独自のジャンルを形成しており、カマラ・ハリス副大統領のパロディコイン「 Kamala Horris(KAMA)」が急騰し話題となっている。
12:55
アルトコインETFの未来、ブラックロックが語る現実と可能性
ブラックロックのデジタル資産責任者は、イーサリアム現物ETFが承認されていても他のアルトコインETF誕生には困難があると話した。
12:14
仮想通貨相場反発、ビットコイン・カンファレンスのトランプ登壇に関心集まる
昨日までの大幅下落とは打って変わり暗号資産(仮想通貨)相場は反発した。強気シグナルのハッシュリボンが点灯しているほか、今週末にはビットコインカンファレンスに米国のトランプ前大統領が登壇予定であり、投資家の関心が集まる。
11:00
トランプ前大統領の陣営、4〜6月期で仮想通貨で6億円の寄付金調達
トランプ前大統領は、ビットコインなど仮想通貨で6億円以上の選挙資金を調達。「ビットコイン2024」でもさらに資金を集める予定だ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア