イーサリアム次期大型アップグレード「ベルリン」に進展
イーサリアム「ベルリン」
暗号資産(仮想通貨)イーサリアム1.0の次期大型アップグレード「ベルリン」に関する改善案の詳細(ドラフト版)が公開された。
イーサリアム1.0は、PoWでブロックの承認を行う現行のイーサリアムブロックチェーンのことだ。昨年12月にローンチしたイーサリアム2.0「ビーコンチェーン」とは異なる。
イーサリアム1.0ハードフォークのコーディネーターJames Hancock氏は、「ベルリン」のドラフトをSNSに投稿。現在、コミュニティからのフィードバックを募集している。
本来、「ベルリン」のローンチは、昨年7月に予定されていたが、1つのクライアントへの過度に依存している点を課題として、実行が一時停止された状況にある。その後、10月に開かれた開発者会議で、2021年1月に仮予定することが提案されていた。
1.0における大型アップグレードでは、2019年12月に「イスタンブール」が実行。ガスコストの低減など6つの改善が加えられていた。
ベルリンのドラフト
Githubへの公式投稿よると、ベルリンでは、5つの改善案(EIP)が提案されている。
- EIP-2565:ModExpガスコスト(ModExp(0x00..05)precompileのガスコストを定義)
- EIP-2315:EVMのシンプルサブルーチン(BEGINSUB、JUMPSUB、RETURNSUBというサブルーチンをサポートする3つのオプコードを導入)
- EIP-2929:ステイトアクセスオップコードのためのガスコスト増加(SLOAD、*CALL、BALANCE、EXT*およびSELFEDESTRUCTが初めてトランザクションで利用される際に、ガスコストを引き挙げる提案)
- EIP-2718:Typedトランザクションエンベロープ(将来のトランザクションタイプにおけるエンベロープという新たなトランザクションタイプを定義)
- EIP-2930:オプショナルアクセスリスト(アクセスリスト、アドレスリストおよびストレージ鍵を含めるトランザクションタイプを追加。リスト以外のものにアクセスすることもできるが、コストがより高くなる)
また、現在EIP-2930を除き、4つの提案のコードは、すべての参加クライアントが追加している。具体的な実装日については、今後発表される予定だ。
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