米CFTC次期会長候補に、デジタル技術分野の権威=ロイター
Tarbert会長が退任
米商品先物取引委員会(CFTC)のHeath Tarbert会長は22日、会長職のポジションを辞任することを発表した。今後はいちコミッショナーとして職務を継続する。
Tarbert氏の任期満了は2024年だが、昨年12月に早期退任の意向を伝えた格好だ。
Tarbert氏が、CFTCの会長に就任したのは2019年の7月。CFTCの会長として、仮想通貨業界にも大きく関与。仮想通貨分野では、ブロックチェーンネットワークの分散性を重視する考えを示し、個別銘柄については、イーサリアムが有価証券なのかコモディティ(商品)に該当するのかという議論を米国内で押し上げた人物としても知られる。当時、イーサリアムのETH2.0によるガバナンスについては、有価証券に分類されるとは必ずしも言えないと発言していた。
次期候補も仮想通貨有識者
Tarbert氏の辞任に伴い、次期会長候補が明らかになっている。
ロイターが情報筋の内容として報じた内容によると、名門のジョージタウン大学の学者Chris Brummer氏が、バイデン大統領に指名される可能性が高いという。
Brummer氏はオバマ政権下で一度、CFTCのコミッショナーに指名された人物であったが、トランプ政権に変わるタイミングで、指名が取り消されたことがある。現在は、ジョージタウン大の国際経済法学院の教授を務め、仮想通貨や国際金融を含むデジタル技術の分野を研究している。
Brummer氏の指名は、現時点では確実ではないステータスにあるが、仮に確定すれば、CFTC、SEC、およびOCC(通貨監督庁)のトップはすべて仮想通貨に広く知識を持つ人物が就任することとなる。
SECは、仮想通貨有識者でも知られる米商品先物取引委員会(CFTC)のGary Gensler元会長が、SEC新長官に指名。現在上院公聴会による承認プロセスを控えている。
また、通貨監督庁の新たな長官として、財務省の元財務次官補およびリップル社の役員などを歴任したMichael Barr氏の起用が検討されていることが、ウォール・ストリートジャーナルに報じられた。
関連:バイデン新政権、通貨監督庁の次期長官に元財務省でリップル社役員歴任者を検討か=WSJ報道
これらの動きを受け、仮想通貨取引所クラーケンの首席顧問弁護士Marco Santori氏は、「仮想通貨有識者が揃って主要規制当局のトップになる可能性が高いため、企業CEOらは法務経費を強化したほうがいいのでは?」とコメント。業界発展の一助になるとして、期待感を示している。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します