中国の仮想通貨カンファレンス:公安当局により突然中止に追い込まれる
- 仮想通貨カンファレンスが突然中止に
- 12日に上海で開催された仮想通貨カンファレンスが、公安当局に突然中止を告げられました。当局は「セキュリティ上の問題」としていますが、明確な理由をはっきり示さず、全面禁止されているICO関係なのではないかと憶測が飛び交うなど、混乱を招いています。
- チャイナリスクか
- 中国固有の政情不安など、経済・社会的要因により、海外企業が利益を損ねたり、事業運営が阻害されたりする予期せぬ事態の発生を”チャイナリスク”と呼ぶことがあります。
カンファレンスが中止に
仮想通貨への強硬姿勢を貫く中国から、またしても国内の現状を如実に表すようなニュースがもたらされました。
2018年4月12日に上海開催された、仮想通貨およびフィンテック関連技術の国際的なカンファレンスである「Global Fintech & Blockchain China Summit 2018(GFBCS)」が、中国公安当局(警察)の手によって、突然中止に追い込まれました。
カンファレンスとは
仮想通貨(ブロックチェーン)の学術的な会議や研究会、協議会のこと。
企業のCEOや開発関係者が「仮想通貨の将来性」について直接語ることも多いため、市場注目度も高く、発言内容が材料視されることも少なくない。
詳しい目的は語らず
GFBCSは、中国に拠点を置くビジネスカンファレンスの主催を行う企業「PTP international」が主催するカンファレンスです。
2017年の初開催が成功を収めており、今年で2回目の開催となりました。
今回のカンファレンスでは、主に仮想通貨に関する金融システムや国際決済の仕組みなど、現実社会での適用に向けたさまざまな議論が酌み交わされる予定でした。
主催者側の発表によると、「1,000人以上の専門家、150以上の金融系企業、50以上のメディア」が集まるなど、多数のフィンテックおよび仮想通貨関連事業者が参加していました。
しかし、現地時間8時30分にカンファレンスが開始されたのも束の間、正午に差し掛かったあたりで中国公安当局が介入、開催中のカンファレンスを中止に追い込んだのです。
具体的な原因に関しては一切言及せず、ただ「セキュリティ上の問題があったため、中止措置を講じた」と語っています。
これに対してカンファレンスの主催者側は、”何ら法的な落ち度はなかった”と主張しており、イベントの中止理由を調査することを表明しました。
SNS上のデマが原因か
主催者側は、今回の騒動に、SNS上で拡散された”とあるデマ”が関係していると睨んでいます。
中国最大のSNS「微博(weibo)」にて、『カンファレンス参加企業の中にICO関連企業が含まれており、複数の出席者が損害を被ったと主張している』というデマが広まっていた件が指摘されています。
デマの内容については、主催者側は一貫して否定した上、すでにSNS上に広まっているデマに関しても不用意に拡散させたり、信じないようユーザー側にも求めています。
ICOとは
「Initial Coin Offering/新規仮想通貨公開」のこと。
資金調達したい企業や事業プロジェクトが、独自の仮想通貨トークンを発行・販売し、資金調達する行為。
ハイリスク・ハイリターンで投機的側面が強い反面、各国の法整備が追い付いていないことで、詐欺まがいのICOが横行するなど問題点も取り沙汰されており、国際的な規制強化が協調路線にある。
中国では、ICOを全面禁止しています。
また最近では、海外市場でも規制強化の動きを見せています。
こうした中にあって、このデマが警察の中止措置につながったことは想像に難くありません。
主催者側は、公安当局による中止措置について、その理由を調査するとともに、別の日に改めてカンファレンスを開催することを検討していると語っています。
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