韓国、仮想通貨の脱税容疑で2千人以上を取り締まる=報道
仮想通貨の隠蔽・脱税を捜査
韓国の国税庁(NTS)がビットコイン(BTC)など暗号資産(仮想通貨)を隠匿し、税金の支払いを回避したとして2,400人以上の取り締まりを行った。The Korea Heraldが報道した。
当局によると、隠蔽されていた総資産は約366億ウォン(約35億円)に上るという。
この捜査は、延滞税1,000万ウォン(約100万円)以上になる人々を対象としたもの。
NTSは、国内の仮想通貨取引所からデータを収集して、税務違反者を突きとめた。韓国はマネーロンダリング防止のため、顧客の本名を確かめる体制を整えることなどを取引所に法律で義務付けると発表、金融サービス委員会(FSC)は、これに準拠しない取引所にまもなく厳しい罰則を導入すると述べる。
韓国の税務当局は次のように述べている。
今回の調査は、反社会的な脱税に対する取り締まりを強化するための継続的な取り組みの一環だ。我々は、高度な手法で行われた脱税も把握し、隠された資産をただちに回収する。
今後もさらに、脱税を行っているとされる200人以上の違反者について捜査を行うという。
2018年5月に、韓国の最高裁判所は、仮想通貨が無形資産に分類され、差し押さえの対象になると判決を下している。これを受けてNTSは、仮想通貨による資産を隠蔽している個人を取り締まる政府機関となった。
証券取引を上回る勢いの仮想通貨市場
韓国では最近、仮想通貨取引量が急増中だ。インフレへの懸念などから代替資産と見なしている投資家も多いとされる。
韓国国税庁(NTS)のデータによると、仮想通貨に投資する者の数は、今年に入ってから前年より39万人増加して159万人になり、仮想通貨取引は1日平均8兆ウォン(約7,700億円)で、昨年の8倍になった。
韓国メディアHankyungは、3月14日、韓国の仮想通貨取引高が同国の証券取引をも上回る勢いを得ていると報道。
韓国における4つの主要な仮想通貨取引所(Upbit、Bithumb、Coinone、Kobit)における14日の合計取引高は約16.6兆ウォン(約1.6兆円)だった。
一方で3月に入ってからの、韓国総合株価指数(KOSPI)の1日平均取引高は約16.5兆ウォン、中小企業・ベンチャーを中心とするKOSDAQは約11.4兆ウォンであり、14日においては仮想通貨取引高がいずれも上回った形だ。ビットコイン価格が高騰したことも、取引高増加の背景にあるとされる。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します