XRP(リップル)高騰、前日比+50%で一時100円台に 背景は?
XRP高騰の背景
暗号資産(仮想通貨)XRP(リップル)が一時前日比50%高の102.9円台まで急騰した。前日に年初来高値を更新、騰勢を強めた。
CoinGeckoのデータによると、XRPは過去7日で+66%、過去1ヶ月では約+100%の上昇率を記録している。
米Ripple社、及びGarlinghouse CEO、共同創設者のChris Larsen氏がXRPの証券法違反問題をめぐりSEC(証券取引委員会)と係争状態にある中、XRP直近の上昇にはどのような背景があったのか。
グローバルで材料視された内容を以下にまとめた。
- 年初来高値更新でレジスタンスライン上抜け
- ショートポジションを巻き込んだ踏み上げ
- 裁判の進捗
- LykkeがXRPを再上場
- コインベースのXRP再上場(Relist)の可能性
- リップル社が送金企業Trangloの株40%取得合意
- (*追記)Sologenic DEXのローンチ
SECとの裁判においては長期化懸念が強いものの、裁判の材料を織り込んだマーケットも、年初からのビットコインなどを中心とした仮想通貨市場の好調な相場環境を受けた。
裁判進捗としては、大きな進展はないが、中・長期的には「和解」に向けた進捗が期待する声もある。3月29日に、XRP投資家(6名)がSECとリップル社の訴訟に関係者として介入する提案が裁判所に認められたほか、2日のリップル社とSEC側の会談では、リップル社の書類に企業秘密情報が含まれていることから一部「非開示」となることが決定した。
また、XRPの流動性については当初SECの裁判発表を受け、コインベースやKrakenなど一部の米国大手取引所やマーケットメイカーがXRPの取扱を一時的に停止するとして、流動性低下に影響が出ていたが、一部コミュニティーは、コインベースがXRPの再上場(Relist)に向けてバックエンドの調整を進めているのではないかと言及するなど、思惑も先行している可能性がある。
取引所としては3月29日に、米ドル送金機能があり一時停止していたスイスに拠点を置く取引所「Lykke」がXRPを再上場する方針を示した経緯もある。
また、訴訟発展後もリップル社の進捗が見られている。3月30日、東南アジアを中心に送金決済ネットワークを展開するTranglo社の株式の内、40%の取得に合意したことを発表。フィリピン諸島など東南アジアにおけるRippleNetの商品ODL(XRPを利用したオンデマンド流動性)の提供範囲を強化していく意欲を見せた。
*追記: 分散型取引所Sologenic DEXが4月1日にローンチされたことも一つの市場背景と見られている。Sologenic DEXは、XRPL上で稼働する分散型取引所であり、XRPやSOLOなどのアセットを取引することができ、秘密鍵はユーザー自身が管理する。
Sologenicはカナダの仮想通貨取引所CoinFieldが2019年にローンチしたXRPL基盤のDEXで独自通貨SOLOコインをもち、ETFや株、外貨といった「オンデマンド・トークン化資産」の発行・取引機能を特徴とする。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します