世界トップの金融機関「JPモルガン」仮想通貨資産戦略部を新設
- JPモルガンも仮想通貨市場に参入
- JPモルガンが仮想通貨資産戦略部を新設、29歳のホープを任命しました。2017年には、CEOのJamie Dimon氏がビットコイン批判を繰り返して波紋を呼んだが、2018年になると態度を軟化。顧客のデマンドを満たすために舵を切った格好です。
- JPモルガンとは
- JPモルガン・チェース(米ニューヨーク)は、総資産、収益力、時価総額で世界最大規模を誇る「総合金融グループ」。運用資産は、300兆円を超えるとされる。
JPモルガンの次世代を担う若手
世界最大の米投資銀行「JPモルガン」が、自社の顧客による仮想通貨関連投資に協力すべく、「Fintech&In-Residence」プログラムの最高執行責任者である「Oliver Harris」氏(29歳)を、新設された「仮想通貨・資産戦略部」の最高責任者として任命しました。
過去の経緯
国際金融の大御所であるJPモルガンCEO「Jamie Dimon」氏は2017年、高騰を続けていたビットコイン(BTC)価格について、歴史上最古の金融バブルに準えて”チューリップバブル(1636-1637年)”以下であると強く非難。詐欺呼ばわりするなどして大きな波紋を呼びました。
しかし、仮想通貨市場がさらに大きく成長を遂げた2018年1月には、当時の発言を後悔している様子が、CNNによって報じられています。
「私のビットコインに対する見解は、政府のそれと概ね一致していた。他の人たちと異なる意見を持っているだけで、ビットコインには興味がない。」
「一方、ブロックチェーン技術は本物であり、自社で活用できる可能性を検証している。ただし、ICO(仮想通貨の資金調達)については、(詐欺なども多いため)慎重に見極めなければならない。」
このような意見を受けて、元ゴールドマンサックス出身で「Blocktower Capital(仮想通貨ヘッジファンド)」創立者であるAri Paul氏は、
と疑問を呈しました。
むしろDimon氏は、仮想通貨が銀行よりも巨大な資金を容易に送金できることで、JPモルガンが提供する「オフショア口座サービス」にとって脅威であると見なしているようです。
その一方で、JPモルガンの共同社長Pinto氏は昨日、「金融システムなど”経済のトークン化”はじきに到来するだろう。仮想通貨は本物だが、その採用方法についてはおそらく今の形ではないだろう。」と言及しています。
仮想通貨市場への進出
JPモルガンはビットコインを既存ビジネスモデルの”脅威”として捉えているものの、仮想通貨の市場規模はもはや無視出来なくなっており、昨年頃よりパブリック市場の投資者からのリクエストも劇的に増えてきたため、JPモルガンはすでに顧客のデマンドを満たすための投資戦略と金融商品を用意し始めています。
そのため、新たに任命されたHarris氏は、JPモルガンのブロックチェーンイニシアティブの指導者であるUmar Farooq氏に直接報告し、仮想通貨を長期的に投資しようとする顧客にサービスを提供するため、同行のブロックチェーンアナリストや開発者に協力することになります。
さらに、ビジネスインサイダーが報じたところによると、モルガン・スタンレーのような他の大手銀行は、仮想通貨を直接的にトレードするよりも、仮想通貨プロジェクトを精査しつつ、仮想通貨のカストディサービス(有価証券投資の際に、証券の保管・管理を行う業務)と、JPモルガンの決済事業におけるブロックチェーンの活用法を見出すとしています。
ウォール・ストリートの傾向
すでに、複数のメディアに報じられているように、モルガン・スタンレーやゴールドマンサックスのような世界最大手の投資銀行は、自社の顧客が極力ローリスクで仮想通貨市場に投資できるような金融商品を検討・作成し始めています。
また、米CMEによるETHインデックスや、NYSE(ニューヨーク証券取引所)の親会社ICEの参入計画を含め、巨大資本を有する銀行や金融機関による、規制されたパブリック仮想通貨関連商品及びサービスが、年内にも続々と登場するものと思われます。
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