インド工科大学マドラス校、へデラ・ハッシュグラフの運営審議会に参加 ユースケースの研究開発に意欲
DLT研究開発に注力
DLT(分散型台帳技術)の開発を進めるへデラ・ハッシュグラフは9月14日、インド工科大学(IIT)マドラス校が、へデラのガバナンス組織である「運営審議会」に加わることを発表した。
今後IITマドラス校は、へデラ運営審議会のメンバーとしてDLT分野の研究開発を強化する予定。「へデラ・コンセンサスサービス」や「へデラ・トークンサービス」などの主要サービスを活用したユースケースをテストしていく。
大学研究機関によるへデラ運営審議会への参加としては、英国のUCL(ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン)およびLSE(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス)に続き、これで3校目となる。
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分散型台帳技術とは
分散型台帳技術はDLTとも呼ばれ、英語の(Decentralized Ledger Technology) の省略で、日本語訳したのが分散型台帳技術である。「De-centralized = 中央集権でない(つまり非中央集権)」な台帳技術(Ledger Technology)のことである。
拡大するへデラ運営審議会
現時点では、これで23の組織がヘデラ運営審議会に加盟することとなり、へデラのエコシステムと連携してDLTにおけるガバナンス体制を構築していく。
最終的に加盟メンバー数が39に達した後、へデラは自由参加型のネットワークへと移行し、完全分散化する計画となっている。
運営審議会のメンバーには現在、米Google、IBM、ボーイング社、アフリカ最大級の銀行グループ、仏最大の電力会社、韓国のLG電子、そして日本の野村証券など、各国の多様な組織、企業、研究機関が名を連ねている。
当事者によるコメント
この提携について、IITマドラス校・機械工学科のプラブ・ラジャゴパール(Prabhu Rajagopal)教授は次のようにコメントしている。
IITマドラス校は、再生可能エネルギー、電気通信、非破壊検査、生物医学、ヘルスケア、情報通信技術(ICT)などの分野における先駆的な取り組みや、有名な技術系卒業生のコミュニティで世界的に知られています。
実用的かつ革新的な技術ソリューションに関する我々の専門知識を活用し、他の審議会メンバーや組織のユースケース開発を支援することで、へデラ運営審議会に大きな価値をもたらすことを目指しています。
また、へデラのCEO兼共同設立者のマンス・ハーモン(Mance Harmon)氏はIITマドラス校の加盟についてこう述べている。
IITマドラス校がへデラ運営審議会に加わったことは、へデラのコミュニティとDLT分野にとって重要かつエキサイティングな出来事です。
IITの歴史の中で、その卒業生や学術スタッフは、技術とイノベーションをもたらす画期的な研究に多大な貢献をしてきました。これは、へデラ運営審議会に大きな価値をもたらし、彼らがへデラネットワーク上で構築される重要なユースケースの開発を導くことは間違いありません。
インド工科大学(IIT)について
IITは、インド全土に23のキャンパスを有するインドの代表的な工学・科学技術研究機関。その研究水準の高さは国際的に評価されており、躍進するインドのIT産業を支えている。
また、IT分野の第一線で活躍する人材を輩出しており、GoogleおよびAlphabetのCEOサンダー・ピチャイ氏や、ソフトバンクグループの元副社長であるニケシュ・アローラ氏などの出身校だ。米サン・マイクロシステムズ社の共同設立者の一人ビノッド・コースラ氏は、同校について「私が知る限り、世界で最も入学が困難な大学だろう」と発言している。
IITマドラス校は、580人以上の教員と9,500人の学生を擁する全寮制の研究所で、世界18カ国の学生が在籍している。また、インド政府教育省が発表した「India Ranking 2020」において、IITマドラス校は2年連続で「総合」部門にて第1位を獲得。さらに、2016〜2020年の5年連続で、同ランキングの「エンジニアリング機関」部門で第1位を獲得している。
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