はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

完全分散型ネットワークへ へデラ・ハッシュグラフの非中央集権化への取り組みとは

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

非中央集権化への取り組み

分散型台帳技術(DLT)を開発するプロジェクト「Hedera Hashgraph(へデラ・ハッシュグラフ)は、完全にネットワークを分散化することが、パブリックな台帳を普及させるために最も重要であると考えている。

へデラ・ハッシュグラフが「インターネットのトラストレイヤーになる」という目標を達成し、安全で信頼できるデジタルの未来を構築するというビジョンを実現するには、ネットワークを完全に分散化することが必要不可欠であるとしており、現在、自由参加型のネットワークへと移行中だ。

ネットワークの仕組み

へデラ・ハッシュグラフのネットワークは、「第三世代の分散型台帳」と呼ばれている。一番最初に誕生した暗号資産(仮想通貨)であるビットコインを第一世代、そこに新たな機能を追加したイーサリアム(ETH)が第二世代と分類されることが多い。

後発であるへデラ・ハッシュグラフは、前の世代よりもネットワークの性能が高いことが特徴で、公式ウェブサイトでは、以下のように3つのネットワークを比較している。へデラ・ハッシュグラフは、1秒当たり1万トランザクション以上を処理できる高い能力を持っていることが大きな特徴だ。

へデラ・ハッシュグラフは、有向非巡回グラフ(DAG:Directed Acyclic Graph)というデータ構造を採用しており、ここがブロックチェーンとの大きな違いである。そのため「ブロックチェーン」ではなく、より広義な「分散型台帳技術」と呼ばれている。

一方、コンセンサスアルゴリズムには、ブロックチェーンで多く導入されているPoS(プルーフオブステーク)を採用。自由参加型のネットワークにして、このコンセンサスのネットワークを分散化させることに現在取り組んでいる。

ブロックを生成したら報酬として、ネットワークのネイティブ通貨が獲得できる。

今後の計画

今後はネットワークの完全な分散化に向けて、「パブリックな許可型ネットワーク」から「パブリックかつ自由参加型のネットワーク」に移行することを計画。現在、ネットワークにおけるノードは、運営審議会(Governing Council)が稼働させている。

「パブリックな許可型ネットワーク」では、誰でもネットワークに参加できるとしながらも、招待を受けないとノードになれない。現在のへデラ・ハッシュグラフはこの段階にあるという。

一方、これから移行を計画する「パブリックかつ自由参加型のネットワーク」とは、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)のように、招待されてなくても誰でもノードになることが可能なネットワークを指す。

へデラ・ハッシュグラフは最終的に完全な自由参加型になることを目指しており、誰でも、どんな企業・組織でも、匿名でノードを立てることができ、ネットワークの運営に参加してネイティブ通貨「HBAR」を獲得することができるようにしていく。

完全分散化へのロードマップ

へデラ・ハッシュグラフは3つのフェーズを設けて、段階的に分散化の実現を目指しているという。

一番最初の「フェーズ1」では、許可された運営審議会のメンバーがノードを担う段階。しかし、ネットワーク自体はパブリックで、自由にユーザーはアカウントを開設したり、開発者はDeFi(分散型金融)のアプリを稼働させたりすることが可能だ。

「フェーズ2」では、運営審議会の関係組織がネットワークに参加。エコシステムのパートナー組織や非営利組織らが参加すると想定されている。

そして、現在目指しているゴールが「フェーズ3」。運営審議会のメンバー数が39に達し、最大で何百という規模まで許可型のノードが増加した段階で、自由参加型のネットワークへ移行する計画だ。完全に分散化するためには、ネイティブ通貨HBARも分散させておかなければならない。

この段階に到達すると、どんな個人・組織でもノードになることができ、ネットワークの運営に参加してHBARの報酬を受け取れるようになるという。フェーズ3で自由参加型のネットワークになった後は、地理的に分散されたノードの数は何千という規模まで増加すると見られている。

運営審議会のメンバー

2021年6月現在で、運営審議会のメンバー数は21。まだ目標の39には到達していないが、グーグルやIBM、ボーイング、野村ホールディングらの大手企業が参加している。

最近では5月に、分散型オラクルネットワークを提供するChainlink Labsが運営審議会への参加を発表。Chainlink Labsとヘデラ・ハッシュグラフは、従来型の金融サービス等が、分散型アプリケーションの特徴とされる信頼性や可視性、コントロールを活用できるようにするため、共同でプロジェクトを推進していくとした。

ヘデラ・ハッシュグラフのMance Harmon最高経営責任者(CEO)は、Chainlink Labsの参加について、「Chainlinkは現在の市場で広範に採用されている分散型オラクルソリューションであり、すでに世界中のアプリケーションにおいて、合計数十億ドル(数千億円)規模の資産管理に活用されている」とコメント。

また「ヘデラ・ハッシュグラフのネットワークは、最も普及している機関グレードのパブリックネットワークであるため、両者が提携することで、Chainlink Labsの可能性も無限大となる」と述べている。

関連分散型オラクルChainlink Labs、ヘデラハッシュグラフの運営審議会に参加

分散型データストレージFilecoinの技術を導入

またへデラ・ハッシュグラフは、今月27日に分散型データストレージのFilecoinと提携を発表。これまでへデラ・ハッシュグラフのネットワークは、効率的かつ軽量ではあるものの、コストの制約があり、大容量ファイルやデータの保存には適していなかった。

Filecoinは、次世代通信プロトコルおよびストレージ技術として注目される、「IPFS」技術を用いた分散型のP2Pストレージネットワークだ。現在、世界中の数百のストレージプロバイダーがFilecoinネットワークに参加しており、Filecoinは8エクサバイト(1エクサバイト=100万テラバイト)のストレージ容量を提供している。

関連仮想通貨ファイルコイン(FIL)が時価総額TOP10入り、年初来+800%の上昇要因は

今回のFilecoinとの提携により、へデラ・ハッシュグラフはFilecoinの堅牢かつ柔軟な大規模ストレージ層をシステムに統合することになり、目標とする完全分散型ネットワークへと着実に移行中だ。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/10 水曜日
14:10
著名投資家レイ・ダリオ「中東は資本家のシリコンバレー」:国家によるAI・デジタル資産戦略を絶賛
著名投資家レイ・ダリオ氏がAIのハブとして急速に成長する中東を高く評価し、「資本家のためのシリコンバレーになりつつある」と述べた。一方、マイケル・セイラー氏は中東がビットコイン担保型デジタル銀行システムによって「21世紀のスイス」になる可能性を指摘した。
11:05
「ビットコイン・アフターダークETF」申請 夜間取引時間の高パフォーマンスに着目
ニコラス・ウェルスが米国夜間取引時間のみ仮想通貨ビットコインを保有する新たなETFを申請した。夜間の高リターン傾向に注目したものだ。ヘッジ型ETFも同時申請した。
09:50
プライバシー重視のステーブルコイン「USDCx」、Aleoのテストネットでローンチ
仮想通貨のステーブルコインUSDCを発行するサークルは、プライバシー機能を持つL1ブロックチェーンAleoのテストネットでUSDCxがローンチされたことを発表。ユースケースなどを説明した。
09:48
仮想通貨市場は政策待ち姿勢 ビットコインとイーサリアムに資金集中=Wintermute分析
Wintermuteの最新市場分析によると、仮想通貨市場は米FRBや日銀の政策決定を前に様子見姿勢を強めている。資金はビットコインとイーサリアムに集中し、レバレッジ水平は低位。先週金曜の急落後も市場は底堅さを保ち、質への選別が進む。レンジ相場継続の見通し。
09:05
プライバシー重視ブロックチェーン「Octra」、30億円規模のICO実施へ
完全準同型暗号技術を採用する仮想通貨プロジェクト「Octra」が2000万ドル規模のトークンセールを実施する。これまでも分散化重視で資金調達を行ってきた。
08:40
コインチェック、NACの新規取扱いを検討 NOT A HOTELとRWA領域で協業強化へ
コインチェックがNOT A HOTEL DAOの暗号資産NACの取扱い検討とRWA領域の協業強化を発表。NACの活用や共同サービスの開発方針について解説します。
08:20
「仮想通貨市場は次の10年間で最大20倍成長する可能性」Bitwise幹部
Bitwiseの最高投資責任者は、仮想通貨市場は次の10年間で10倍から20倍まで容易に成長する可能性があるとの見方を示した。ビットコインなどを例に挙げ、根拠を説明している。
12/09 火曜日
17:40
リミックスポイント、エネルギー事業の中期経営計画を発表 3年で営業利益3.7倍目指す
リミックスポイントが2027-2029年度の中期経営計画を発表。エネルギー・蓄電事業で売上高692億円、営業利益91億円を目指す。日本蓄電池と提携し系統用蓄電所7カ所を共同運営。同社は242億円超の仮想通貨も保有し、多角的な事業展開を推進。
15:52
補正予算の国会質疑で仮想通貨税制が議題に 国民民主党が質問、高市首相は「与党税調で検討中」と答弁
補正予算の国会質疑で暗号資産(仮想通貨)税制が議題に。国民民主党は雑所得として最高税率55%が適用される現行制度を見直し、分離課税化を要求。高市首相は税制改正大綱に基づき与党税調で検討を進めていると答弁した。
13:35
米XRP現物ETF、全期間で純流入を記録 約1459億円に到達
米XRP現物ETFが上場以来全期間で純流入を記録し、約1,459億円に到達。仮想通貨ETF史上2番目の速さで8億ドルを突破し、機関投資家の継続的な買いが続いている
13:20
カナダ税務当局、仮想通貨利用者の4割が未申告と推定
カナダ歳入庁が過去3年間で仮想通貨関連監査により1億カナダドル以上を徴収したが、2020年以降刑事告発は行われていない。同庁は仮想通貨プラットフォーム利用者の40%が未申告または高リスクだと推定している。
12:50
『ガス先物市場』、ヴィタリックがイーサリアム手数料を安定させるアイデアを披露
仮想通貨イーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏がガス代先物市場を提案した。将来の手数料をヘッジ可能にする構想であり、コミュニティ内で議論が活発化している。
12:00
XRPの買い方|おすすめ取引所と購入手順を図解【初心者向け】
暗号資産(仮想通貨)XRPの特徴から買い方、将来性、リップル社の最新動向や取引所の選び方も紹介します。ドナルド・トランプ次期米大統領の思惑やSECゲンスラー委員長交代による規制環境の変化、価格への影響を分析。
11:45
米大手銀行CEO、上院議員と仮想通貨市場構造法案を協議予定 ステーブルコインの利息付与に反対表明へ=報道
バンク・オブ・アメリカ、シティグループ、ウェルズ・ファーゴのCEOが9日、上院議員と会談し仮想通貨市場法案を協議する。銀行側はステーブルコインへの利息付与に反対し、仮想通貨分野での競争能力確保を求める姿勢だ。
11:23
テザーのUSDT、アブダビで「法定通貨参照トークン」認定範囲が拡大 9チェーン追加
テザーのUSDT、アブダビで法定通貨参照トークンの認定範囲を拡大。新たに9つのブロックチェーンで規制業務が可能に。USDC、USD1、RLUSDも承認済み。UAEがステーブルコイン規制拠点として台頭。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧