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三菱UFJ銀行頭取、融資審査へのAI活用と3メガ共同ステーブルコイン実証を表明|FIN/SUM 2026

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

三菱UFJ銀行の取締役頭取執行役員・半沢淳一氏は3月5日、ブロックチェーン・Web3カンファレンス「FIN/SUM 2026」で単独講演し、グループ全体のAI業務実装を2026年度中に250件超へ拡大する方針を表明した。

融資業務の「暗黙知」をAIに取り込む独自システムの開発や、3メガバンク共同でのステーブルコイン発行に向けた実証実験への参加も明らかにした。

3メガ共同のステーブルコインと国際決済実証

ブロックチェーン活用では、信託受益権のスキームを用いた3メガバンク共同でのステーブルコイン発行を検討していることを明かした。

同コインを決済手段として、三菱商事の国内外拠点間のクロスボーダー決済に使う実証実験を予定するほか、国債・上場株式・投資信託・社債など伝統的資産の権利点についての実証も計画する。

国際的な取り組みとしては、BIS(国際決済銀行)が主導し、日本銀行を含む7中銀と43の民間銀行が参加する「プロジェクト アゴラ」へのMUFGの参加も紹介した。

また、昨年10月から始まったCBDC(中央銀行デジタル通貨)発行に向けた検討では、民間銀行として参加していると説明。SWIFTの既存インフラを活用した新たなブロックチェーン基盤の構築に向け、30以上の金融機関とプロトタイプ開発を進めているとも述べた。

全国銀行協会の関係団体が主導する決済システム高度化の検討について、新たな決済システムの基本構想に関する報告書を今月中に公表する予定だと明かした。

融資の「暗黙知」をAIに

MUFGは2024年4月にデジタル戦略統括部を新設し、グループ全体で100件超のAI業務実装を進めている。今回の講演で半沢氏が特に強調したのが、融資審査への応用だ。

「AIUCエキスパート」と呼ぶ社内システムを通じ、財務分析や返済能力評価といった融資判断に蓄積された熟練行員の経験・感覚を、過去の稟議書やマニュアルとともにAIに学習させる取り組みを進めているという。

案件数が増えるほどAIの判断精度が向上する仕組みで、専門家がナレッジを承認・管理することで品質を担保する体制も整備するとした。

個人向けサービスでは昨年6月に発表したリテールブランド「MMC」のもと、銀行・証券・信託・カードをシームレスに利用できる環境を構築。ウェルスナビとの共同開発によるマネーアドバイザリープラットフォーム「MAP」では、MUFGが保有する多様な顧客データとAI技術を組み合わせ、個人のライフステージに沿った資産運用提案を目指す。

半沢氏は講演を締めくくり、「AIはデータの処理と意思決定を高度化し、ブロックチェーンは価値移転を実現する。両者は互いに補完関係にあり、銀行業務との親和性が高い」と述べ、スタートアップやテクノロジー企業との連携深化が不可欠だとの認識を示した。

FIN/SUM NEXT 2026

FIN/SUM NEXTは「AI×ブロックチェーンが創る新金融エコシステム」をテーマに、日本経済新聞社と金融庁が主催する金融カンファレンス。

10回目となる今回は3月3日〜6日に東京・丸ビルを中心に開催されている。シンポジウムやワークショップのほか、フィンテックスタートアップによるインパクトピッチも実施される。

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