はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

英大学、へデラの分散型台帳技術に関する新たな研究結果を発表

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

英名門大UCLによる研究報告

英国の名門大学UCL(ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン)は9月8日、プルーフオブワーク(PoW)、プルーフオブステーク(PoS)、分散型台帳技術(DLT)などの、複数のコンセンサスプロトコルを比較した研究論文を発表した。

経済学の権威として知られるUCLが行った研究によって、従来型のコンセンサスプロトコルと比較した、分散型台帳技術ネットワークのエネルギー消費レベルが明らかとなった。

今回の研究では、へデラ・ハッシュグラフが採用する分散型台帳技術の特徴である、消費電力の少なさ(低い環境負荷)が浮き彫りにされている。

公表された研究内容

この研究では、分散型台帳技術による環境への影響に関する研究として、6つのブロックチェーンを比較した。分散型台帳技術との比較対象としては、アルゴランド、カルダノ、イーサリアム 2.0、ポルカドット、テゾスが選ばれている。

論文によると、調査対象として最終的に選ばれた4つの技術の中では、へデラ・ハッシュグラフのDLTが、総合的エネルギー消費量20.95mW h/txと最も少ないことが判明したという。次いでアルゴランド(4.427W h/tx)、ポルカドット(115.6W h/tx)、最後にイーサリアム 2.0(2.862W h/tx~557.5W h/tx)となっている。

PoSに勝る省エネ性能

UCLの研究者らによる今回の比較は、バリデーターベースのシビル耐性スキームの数学的消費モデルを公式化(formalization)することで行われている。このモデルでは、バリデーターの数やシステムのスループット特性などの一般的な入力変数に基づき、1トランザクションあたりのエネルギー消費量が定量化されている。

研究の成果としては、さまざまなコンセンサスプロトコルのエネルギー必要量が、アクティブなバリデーターの数に依存するということが判明。またUCLの研究者らは、分散型台帳技術ネットワークでは、一部の検証者が最も安価なエネルギー源を使用してハードウェアを稼働させる、「底辺への競争(Race to the bottom)」が起こり得る可能性があるとも指摘。

たとえ消費電力の少なさを誇るDLTネットワークの規模が拡大したとしても、環境への配慮を忘れてはならないと結論づけている。

UCL側のコメント

UCLのブロックチェーン・テクノロジーセンター(CBT:Centre for Blockchain Technologies)のエグゼクティブ・ディレクターを務めるパオロ・タスカ博士は、今回の研究結果について、このようにコメントしている。

今回の研究では、すべてのPoSネットワークが同じように機能するわけではないことが判明しました。

本研究で得られた知見は、既存のコンセンサスプロトコルを改善するだけでなく、持続可能性を念頭に置いた新たなコンセンサスプロトコルを開発するための出発点ともなります。

私たちは、最新のスループットとバリデータ数を適用するへデラ・ハッシュグラフが最も好ましいエネルギー消費特性を持っていることを証明しました。UCLのブロックチェーン・テクノロジーセンターは、へデラ・ハッシュグラフと緊密に協力しており、その技術を実世界の問題に適用する方法を模索しています。

    

UCL(ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン)について

1826年設立のUCLは、13,000人以上のスタッフと150カ国から集まる42,000人の学生を擁する、英国の代表的な大学の一つ。UCLはロンドン大学連合の旗艦校でもあり、QS世界大学ランキング2020では世界第8位、ヨーロッパ第4位、ロンドン第1位にランクインしている。

UCLの研究、教育、革新への取り組みは世界的に認知されており、英国の高等教育機関の研究評価を行う「Research Excellence Framework」の最新版では、UCLは研究力の項目で英国の大学トップの評価を得ている。

なお、UCLはへデラ運営審議会のメンバーとして20年5月から参加しており、同じロンドン大学の所属校であるLSE(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス)も、今年8月に加盟を発表したばかりだ。

関連:英名門大、ヘデラ・ハッシュグラフの運営審議会に参加

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
05/20 火曜日
14:45
「サトシ」か「ビット」か? ビットコイン価格高騰で基本単位論争が再燃
ビットコインの価格高騰に伴い、コミュニティではその基本単位「サトシ」変更の議論が白熱している。サトシを廃止すべきというビットコイン改善提案177にジャック・ドーシー氏が支持を表明する一方で、反対意見も多く論じられている。
14:00
ブラックロック「BUIDL」で利回り増やす取引戦略 BounceBitが実証試験
BounceBitがブラックロックのトークン化米国債「BUIDL」を担保に利用して、年利20%を実現した取引戦略を公開した。ステーブルコインを担保とするよりも利点があるとしている。
13:10
個人ノード運用を容易に、ヴィタリックの新たなイーサリアム拡張案とは
仮想通貨イーサリアム共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏が新L1スケーリング計画を発表。個人のノード運用を容易にする「部分的ステートレスノード」でガスリミットを10~100倍に拡張する革新的アプローチを提案。
12:35
米上院、ステーブルコイン規制『GENIUS法案』の審議進行可決
米上院が仮想通貨ステーブルコイン規制法案「GENIUS法案」の審議を66対32で可決。消費者保護や倫理規定を強化した修正案で超党派合意が進展。
11:59
ビットコイン下髭で押し目買い意欲旺盛か イーサリアムにも機関投資家の強い関心
過去最高値の更新まで目前のビットコインは米国債格下げなど不透明感のある中、下髭形成し押し目買い意欲の強さを示した。50日・200日移動平均線のゴールデンクロスが目前に迫る中、イーサリアムには機関投資家の資金が集まり、CMEグループのXRP先物は初日に1,560万ドルの取引高を記録した。
11:20
SEC新委員長、仮想通貨規制を全面見直し
SEC新委員長ポール・アトキンス氏が仮想通貨規制の抜本的見直しを表明。前政権の執行措置を批判し、発行・保管・取引の3分野で明確なガイドライン策定へ。
10:35
リップル社、UAEの金融企業2社と提携
リップル社は、UAEのZand BankとMamoの2社が顧客になったことを発表。両社はリップルペイメントを使用すると説明しており、中東市場の事業を強化していく。
10:05
ソラナの新コンセンサスプロトコル「Alpenglow」提案 性能引き上げへ
ソラナ開発スタジオAnzaが新コンセンサスプロトコル「Alpenglow」を発表した。処理時間を理論的に約150ミリ秒まで短縮し、Web2と競合できる高速処理を実現するとしている。
08:45
ビットコイン急騰、米国債格下げと州法により"安全資産"化|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは史上最高値となる10万9,000ドル付近まで上昇している。米国債の格下げを契機として米国の信用力に対する懸念が台頭し、ドル安が進行した。
08:02
ステーブルコイン大手サークル、コインベースとリップルから買収アプローチ=報道
USDC発行元のサークル社が50億ドル以上の企業価値での買収提案を複数社から受けている。リップルとコインベースからアプローチされ、IPO計画と並行して検討中か。
07:45
過去最高515億円含み益達成、エルサルバドルのビットコイン投資
エルサルバドルが保有するビットコインが515億円の含み益を達成。国際通貨基金との合意に反してビットコイン蓄積を継続中。
07:25
コインベース顧客情報流出事件、米司法省が捜査開始=報道
米司法省が仮想通貨取引所コインベースの顧客データ流出事件について刑事捜査を開始。インド拠点従業員への贈賄による情報漏洩で、ハッカーが2000万ドルの身代金を要求していた。
06:40
ストラテジー社とセイラー氏、ビットコイン投資の収益性めぐり投資家から集団訴訟
ストラテジー社とマイケル・セイラー会長が、仮想通貨ビットコインの投資戦略の収益性について虚偽の説明をしたとして投資家から集団訴訟を起こされた。
06:15
Bybit、USDT使用の株式取引開始 ストラテジーなど78社が対象
仮想通貨取引所Bybitが株式取引機能をGold & FXに追加。ストラテジーやコインベース、マグニフィセント7を含む78社株式をUSDTで取引可能。CFDモデル採用で実株保有は不要。
06:05
SEC、ソラナ現物ETFへの決定を延期 21SharesとBitwiseが対象
米証券取引委員会が21SharesとBitwiseのソラナETF提案について決定期限を延期し、パブリックコメントを求めると発表。Canary、VanEckも含む複数企業が仮想通貨ETF承認を競う中、SECの審査が本格化へ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧