
ビットコイン追加購入
米ストラテジー社(旧称マイクロストラテジー)は18日、17日までの7日間で430BTCを5,140万ドル(約76億円)で購入したと発表した。
また、マイケル・セイラー会長は、同社が以前の資金調達制限を緩和し、自主的に設定した基準額を下回る場合でも株式発行を行えるようにしたと報告している。資金調達の柔軟性を高めた形だ。
ストラテジー社は、8月11日から17日までの期間に、430BTCを5,140万ドルで購入。平均取得価格は1ビットコインあたり119,666ドルとなる。
これにより保有ビットコインは629,376 BTCに達した。2025年初来のビットコインイールドは25.1%である。ビットコインイールドとは、一定期間における企業活動において、一株当たりのビットコイン保有量がどのように増減したかを表す指標だ。
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株式発行の条件を緩和
マイケル・セイラー会長は、株式を新規発行する際の自主基準緩和についても報告している。
背景としてストラテジー社は、株主価値の希薄化を避けるための措置として、株価が同社のビットコイン保有価値に対して十分なプレミアム(割高)を持たない場合に、普通株の新規発行を控えるという方針を取っていた。
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具体的には、株価が同社のビットコイン資産価値の2.5倍を下回る場合、債務利息または優先株の配当の支払いを除き、新株を発行しないと約束していた格好だ。
新方針では、「会社にとって有利と判断される場合」、基準額を下回っていても株式発行を許可する。これにより、ストラテジー社は資金調達や支払いをより柔軟に行うことができるようになった。
例えば、ビットコイン価格が下落しており割安に購入できるタイミングや、ビットコインの追加購入や債務返済、事業運営のための資金を早急に必要とする場合など臨機応変に資金調達することが可能になると考えられる。
StrategyTrackerによると、ストラテジー社のビットコイン保有価値に対するプレミアム(mNAV)は、昨年11月がピークで3.6倍に達していた。現在もプレミアムは維持されているが1.6倍まで低下しているところだ。
これまでの自主基準では新規株式の発行を行わない水準だったが、今後はプレミアムが2.5倍以下でも発行できるようになった。
セイラー氏は先週、同社株式がプレミアム価格になっている理由について説明している。
レバレッジを活用してビットコイン価値を増幅していること、MSTR株式へのオプション需要の多さ、各指数に組み込まれていることによるパッシブフロー、機関投資家によるアクセスの容易さを要因として挙げた。
mNAVとは
企業の株価がその純資産価値に対してどの程度のプレミアムまたはディスカウントで取引されているかを示す指標。これが1.0を超えている場合、株価はプレミアム(割高)であり、1.0未満の場合は、ディスカウント(割安)だとみられる。
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