ビットコイン相場、次のトレンドに向けたエネルギーを溜め込む 仮想通貨・週次市況(bitbank寄稿)

今週(10/30〜11/5)の仮想通貨相場

ビットコイン市場は今週、米国初のビットコインETFなどを材料に過去最高値を記録した過熱感が収まりを見せ、700万円前後で横ばい推移している。


目次
  1. 各市場の騰落率
  2. bitbank寄稿

各指標の騰落率一覧

5日の終値時点の週間騰落率は、以下のようになった。

週間騰落率

月初来騰落率

月間騰落率

年初来騰落率

年間騰落率

(今週の騰落率は、先週の終値、今週の終値を用いて計算。月初来、年初来についても前の月、年の終値で計算)

(仮想通貨の価格は取引所コインベースを参照、各銘柄の価格はTradingviewを参照)

10/30〜11/5のBTCチャート

TradingView

bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

10/30〜11/5レポート:

今週のビットコイン(BTC)対円相場は、節目700万円を巡り方向感に欠ける展開。5日正午時点で相場は702万円近辺で推移している。

週明けよりバイナンスの暗号資産(仮想通貨)引き出し一時停止の発生で上値を重くしたBTCだったが、対ドルで節目の6万ドル絡みでは底堅い推移となり、2日にはイーサ(ETH)の史上最高値更新に連れ高で700万円の揉み合いから上放れに成功。しかし、その後はETHの反落や、市場予想を上回ったAPD雇用レポートが相場の重石となり反落した。

今週の目玉イベントだったFOMC直後には、フラッシュクラッシュ的な値動きを演じ、瞬く間に690万円まで押したものの、ETHが再び高値を更新したことで720万円まですかさず切り返した。

一方、ETH高値更新後の反動安で、4日の市場は全体的に軟調となり、BTCもジリ安に転じた。この日の海外時間には、一時間足の200本移動平均線で下げ止まり反発するも、SHIBが前日の安値を割り込むと、再び主要アルトを巻き込みBTCも下落。

その後はSOLの上昇を受けてETHが切り返し、BTCもなんとか下げ止まっており、今週のBTCはドミナンスを落としアルトコインに振り回されている。

【第1図:BTC対円チャート(1時間足)】出所:bitbank.ccより作成

こうしたアルト主導の市況は来週も続きそうだ。9日から10日にかけては、Rippleの年次イベントSWELLが開催される予定となっている。SWELLに向けてXRP相場は上昇しやすく、イベントを境に下落しやすく、界隈では「SWELL買い/売り」とも称されるほど毎年恒例のアノマリーとなりつつある。

一方、SWELLを通過すれば、来週後半にはビットコインのtaprootアップグレードが控えている。2017年のSegWitアップグレードでは、アップグレード決定とイベント通過後に価格が大幅に上昇した経緯があるが、米国での先物ベースの上場投資信託(ETF)上場や、期待インフレ率の上昇による機関投資家の参入が既に指摘される中、taprootを切っ掛けとする資金流入にはあまり期待できないか。

他方、2006年来の高水準から反落していた米国の10年物期待インフレは、今週のFOMCを契機に反発しており、BTC相場が上昇しやすい環境は整いつつあると言える。

テクニカル的には、短期物のヒストリカルボラティリティの低下や、ボリンジャーバンドのスクイーズ(バンド幅縮小)が進んでおり、相場は次のトレンドに向けたエネルギーを溜め込み始めていると言える。こうした状況では、ブレイクアウト時に相場の動きが大きくなりやすいため、いつでも高いボラティリティに対応できる準備が必要そうだろう。

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

関連:bitbank_markets公式サイト

前回のレポート:過去最高値更新のビットコイン、調整入るも今後の資金流入はポジティブ

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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