海外で「日本の金融庁認可の仮想通貨取引所が約54億円で国外業者に買収された」と注目を集める

国外業者による仮想通貨交換業者の買収の動き
仮想通貨交換業者登録済みであるビットトレード社の経営権を、シンガポール企業Upper Joyful Limitedが取得したことが海外で話題になっています。未だ金融庁からこの件に関する発表は行われていませんが、状況次第では、日本の大きな市場を狙う動きとして、海外業者による買収の動きが加速することになりそうです。
BitTrade(ビットトレード)とは
金融庁の仮想通貨交換業者登録認可を受けた、仮想通貨取引所。ビットトレード株式会社は、FXトレードファイナンシャルの子会社でもある。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

今、海外では日本の金融庁ライセンスが買収されたと話題になっています。

日本で仮想通貨交換業(取引所)を営むために必要なライセンスといえば、仮想通貨交換業者登録です。

仮想通貨市場は、今までの金融市場とは顧客の年齢層も大幅に異なり、2017年の取引量の盛り上がりからも、仮想通貨市場参入を表明する企業は後を絶ちません。

登録待ち企業は、100企業を超えたことが報じられました。

しかし、コインチェックの事件を皮切りに、顧客資産管理やAML(アンチマネーロンダリング)の問題など、既に営業を行なっている業者への調査を行うことが優先となり、登録審査の厳格化や長期化が発生しています。

この様な状況の中、日本国内では、マネックスグループによるみなし業者コインチェック社の買収や、Yahoo Japanは子会社を通じて登録業者ビットアルゴ取引所東京の株式40%の取得に動くなど、登録業者やみなし業者を買収する動きが始まっています。

今回海外で話題となっているのは、先日 CoinPost でも報じた、海外企業初の日本国内仮想通貨交換業のライセンスを持つ企業に対しての買収の動きです。

BitTrade買収の動き

5月22日、仮想通貨交換業者登録済みであるビットトレード社の経営権を、シンガポール企業Upper Joyful Limitedが取得したことを、BitTradeのプレスリリースで判明しました。

この買収により、金融庁ライセンスの状況がどの様になるのかは定かではありませんが、海外メディアでは『金融庁認可の取引所の権利を5000万ドル(約54億円)で外国人投資家が取得』と報じられて、話題になっています。

FX Tradeは日本上位の外国為替取引を扱う企業であり、BitTradeは近年国内の仮想通貨に対する需要増加に応じるために日本政府がライセンスへ登録した数少ない業者の一つです。

この様に2つの金融市場取引プラットフォームの運営は、外国為替と仮想通貨取引のグローバルな人気と需要に相乗効果を起こすと期待されているようです。

また、2017年12月における日本円でのビットコイン取引は世界の三分の一を占めており、日本市場の魅力も買収に動いた一因と言えるでしょう。

FXとBitTrade両プラットフォームの管理チームはより多くの取引オプションとサービスを提供するべく、これからより積極的に仮想通貨の取引プラットフォームをスケールアップし、国際的にユーザーフレンドリーな利用体験を高めることを目指しています。

また、Cheng氏の今まで広めてきたビジネスネットワークを生かし、同チームは将来シンガポールと日本に止まらず、世界へと進出するそうです。

また今回の買収について、Cheng氏は、以下のようにコメントしました。

「仮想通貨業は急激に成長しつつある。>

上昇する需要と好機を掴むためのカギとなるのは日本金融庁のような健全な規制の元で運営する企業なのだ。

FSAライセンスを持っているプラットフォームを通して、我々は世界各国の規制側に働きかけ、当プラットフォームをより大きくするつもりだ」

金融庁の動き

本日、金融庁が複数の交換業者に対して、マネロン対策不足の観点から、業務改善命令を6月中に行う方針で検討を始めたと、読売新聞が報じました。

交換業者に対するなにかしらの進展が公になる可能性があることから、今回海外投資家によるライセンスを持つ交換業者に関する内容も合わせて注目されるだろう。

金融庁の公式発表次第では、今後も買収提案の動きなどが加速することが予想されます。

1日、読売新聞は、金融庁が複数の交換業者に対して、マネロン対策不足の観点から、業務改善命令を6月中に行う方向で検討し始めた、と報じました。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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