仮想通貨規制で揺れるロシア中銀、禁止派は少数との見方も
ロシア、仮想通貨規制の雲行き
ロシア中央銀行が暗号資産(仮想通貨)取引の禁止を検討する中、地元仮想通貨決済スタートアップのCEOは24日、実際に禁止措置が取られた場合に中銀が実施する可能性のある措置を挙げた。
ロシア中央銀行のElvira Nabiullina総裁は今月17日、ロシアで仮想通貨への投資は歓迎できないと発言している。
また、ロシアでは現在、仮想通貨の取引自体は禁止されていないものの、仮想通貨を商品やサービスなどの決済に使用することは禁止されている。
Forbes紙の取材に対し、決済スタートアップJoys DigitalのCEO、Andrey Mikhaylishin氏は仮想通貨取引サービスにおけるクレジットカード決済が禁止される可能性を指摘した。
クレジットカードには加盟店カテゴリコード(MCC)と呼ばれるコードが存在し、これはクレジットカード会社が加盟店の事業内容を区別するために設定されている。
MCCは4桁の数字で構成されており、仮想通貨取引は通常、「6051」に紐づけられている。6051には非金融機関でかつ準通貨を取扱う業者等が該当する。
ロシア中銀は銀行に対し、6051の取引を禁止させる措置を行うことが可能となっており、上記のような方法も可能性の一つとして議論されているという。
「禁止」は少数派か
ロシアでは、マネーロンダリング対策や金融機関の監督など、日本においては金融庁が担当する業務もロシア中央銀行が行っている。
仮想通貨を厳しく取り締まる姿勢を見せてきたロシア中銀だが、これはロシア国内でも少数派だという指摘も見られる。
Forbes紙によると、ロシアのAlexey Moiseev財務副大臣は、20日に行われた仮想通貨規制作業部会において、これまで仮想通貨に投資を行ったロシア人口を考えると、完全に禁止するには遅すぎると述べた。
また、ロシア中銀内でもVladimir Chistyukhin副議長は今月20日、外国企業を通じたロシアでの仮想通貨投資は引き続き合法であると発言、禁止より規制の方向性を示している。
Chistyukhin副議長によると、近く、仮想通貨規制に関するレポートが中央銀行から公開される予定という。(20日時点)
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します