仮想通貨取引所バイナンス、UAE首都アブダビでもライセンス取得
アブダビでもライセンス取得
アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ・グローバル・マーケット(ADGM)は10日、大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスに、デジタル資産の仲介業者として、原則的な承認を与えたことを発表した。
ADGMは、アラブ首長国連邦の首都アブダビに位置する、国際金融センター。金融サービス規制当局、登録局、ADGM裁判所という3つの当局から構成されており、仮想通貨取引の規制も管轄下に置く。
バイナンスは今回、ADGMの金融サービス規制当局(FSRA)から、仮想通貨のブローカー・ディーラーとして活動するための金融サービスライセンスの原則的承認(IPA)を取得。アブダビで規制に準拠した仮想資産サービスプロバイダ(VASP)としての地位を確立に向け、一歩前進した格好だ。
公式発表によると、FSRAへの申請が完了次第、バイナンスは子会社のBinance (AD) Limitedを通じて、中東・北アフリカ(MENA)地域全体の顧客に、仮想通貨に関するサービスを提供可能となる。
バイナンスの中東・北アフリカ(MENA)地域責任者であるRichard Teng氏は、次のようにコメントした。
アブダビ・グローバル・マーケット(ADGM)は、グローバルなブロックチェーンエコシステムの成長を促進するために、確固とした仮想通貨規制の枠組みを、いち早く導入した当局だ。
私たちは、MENA地域全体やその先に、私たちの世界クラスのサービスを展開していく上で、アブダビの関係者と協力していけることを楽しみにしている。
バイナンスは3月、仮想通貨取引所FTXと共に、アラブ首長国連邦のドバイ仮想通貨規制当局(VARA)からも、ライセンス取得したことを発表していたところだ。
ブルームバーグによると、バイナンスのChangpeng Zhao(CZ)CEOは3月、ドバイを「当面の間」本拠地とすると述べていた。今後数か月のうちに、多くのバイナンス社員がドバイに移転することになる予定だという。
関連:FTXとバイナンス、アラブ首長国連邦のドバイで仮想通貨ライセンス取得
「アブダビを仮想通貨の中心地に」
ADGM登録局の、Dhaher bin Dhaher CEOは、「バイナンスをサポートしていくことができて嬉しい」と述べ、ADGMの取り組みについて、次のように説明した。
ADGMはMENA地域で最大の仮想通貨に関する規制管轄当局だ。
ADGMの仮想通貨枠組みは、包括的な規制と確固とした規定で世界的によく知られている。この枠組みは、国際金融センターとしてアブダビの経済成長を促進し、市場の健全性を維持するという、私達の継続的な取り組みの一環だ。
ADGMは、今後も積極的にビジネス環境を整え、アラブ首長国連邦における新たな投資機会を開いていく。その上で、バイナンスのような仮想通貨企業が、地域全体の投資家と企業のニーズに応えることができるようにしたい。
AGDMは、仮想通貨事業を行う環境の構築に注力しており、「アブダビを仮想通貨取引の世界的な中心地、そしてブロックチェーンの中心地にする」としている。これからも、地元や海外の仮想通貨企業を誘致していく姿勢だ。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します