テラ(LUNA)のセルフバーン運動、Do Kwon共同創設者は否定的
テラ(LUNA)のセルフバーン運動
先週末から、暗号資産(仮想通貨)テラ(LUNA)のボラティリティ(価格変動性)が再び高まっている。新たにTerraチェーン2を立ち上げる「フォーク案」に反対する有志を中心に、自らトークンをバーンする運動が巻き起こったことが影響しているようだ。
Twitterでハッシュタグ「#burnluna」が作成されるなど、コミュニティでバーンを求める声が高まったことを受けて、Terraブロックチェーンの共同創設者であるDo Kwon氏は、21日にテラ(LUNA)のバーンアドレスを公開。このアドレスに送られたLUNAトークンは燃やされ、その分だけLUNAトークンの供給量が減少する。
5月7日以後、アルゴリズム型ステーブルコイン「テラUSD(UST)」のドル・ペグ崩壊(ディペッグ)をきっかけに、裏付け資産となるテラ(LUNA)の価値が99.99%下落。USTが5月13日の終値ベースで0.123393ドルまで下落する中、増刷されたLUNAの流通量は22年5月8日時点の3億4000万枚から5月13日に6兆枚強まで増加した。
Terraチェーン上で新規にLUNAトークンが発行されることはないと伝えられていることも、バーンによるLUNAの価格上昇を期待する投資家の根拠の一つとなっている。
しかし、Do Kwon氏は既存のLUNA・USTを立て直すのではなく、「Terraチェーン2(通称)」を新設して人材やリソースを移行し、新たにエコシステムを構築する「リバイバル(復興)プラン2」を提唱している。新しいチェーンにはUSTがなく、ネットワーク崩壊前後の記録に基づいてLUNAトークンの保有者に新たなトークンが再分配される内容だ。
このプランはTerraチェーンの主要なプロジェクトの支持を得ており、26日を期限にバリデーター投票が進行している。
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リバイバルプランに反対
リバイバルプランに反対しているのは、Terraコミュニティの中でもUSTのディペッグ後にLUNAを買い支えた投資家と見られている。彼らにとっては新トークンのわずかな配分を受け取るよりも、Terraチェーンが再建されて現在保有しているLUNAが値上がりする方が望ましい。
自分達でLUNAをバーンすることは「文字通りお金を燃やしている」のであって、合理的ではない。しかし、そうでもしなければ状況を覆せないといった心理が、この運動の背景にあるようだ。バーンアドレスには連日LUNAトークンが送付され続けており、執筆時点に2億6300万LUNA(520万円相当)が蓄積されている。
業界最大の仮想通貨取引所のChangpeng Zhao最高経営責任者もフォークに反対する一人。Zhao氏は、「供給量の削減は、過去の日付ベースのフォークではなく、バーンによって実行されるべきだ。コインを救助しようとしたすべての人を見過ごしている」と14日に述べた。
Do Kwon氏はバーン活動について、「 トークンを失うこと以外は何も起こらない。トークンを失うこと以外は何も起きない」と一貫して否定してきた。
何度も言っているが、このアドレスにトークンを送ってトークンをバーンするのは、良い考えとは思わない。混乱を招きたくない。
しかし、Do kwon氏がバーンアドレスを提示したことをきっかけに市場で混乱が生じている。21日以降、LUNAトークンは直近安値から一時2倍近くに急騰した。
シンガポールに拠点を置く仮想通貨取引所MEXC Globalは、LUNAのテザー(USDT)建て取引市場の手数料を使って、LUNAトークンをバーンするキャンペーン企画を発表。22日から24日夜(日本時間)にかけて、コミュニティ投票が行われている。
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