米クルーソー社、廃ガスでの仮想通貨マイニングを中東に拡大
オマーンとアラブ首長国連邦のファンドが出資
廃ガスのエネルギーをAIや暗号資産(仮想通貨)マイニング等に利用するソリューションを提供する米クルーソー・エナジー・システムズ(以下、クルーソー)は1日、中東地域で事業を拡大していくことを発表した。
具体的には、オマーンの政府系ファンドであるオマーン投資庁(OIA)とアラブ首長国連邦(UAE)アブダビの政府系ファンド、ムバダラ投資カンパニーから出資を受けた格好だ。
この出資は、クルーソーの、約460億円(3億5,000万ドル)のシリーズCラウンドへ参加する形で行われた。このラウンドはG2 Venture Partnersが主導しており、オマーンとUAEのファンドがどの程度出資したのかは明かされていない。
クルーソーは、フレアガス軽減システムにより、中東・北アフリカ(MENA)地域で初のフレアガスを用いたビットコイン(BTC)マイニング業者として確立される見込みだ。
クルーソーによると、フレアガスをただ燃焼し続ける場合と、そのエネルギーをデータセンターに活用する場合を比較すると、メタンガスを98%、CO2eを63%、一酸化炭素を95%削減できるという。
米テキサス州についても、Ted Cruz上院議員らがフレアガスを活用した仮想通貨マイニングについて提案を行っていたところだ。
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中東でフレアガス排出を削減へ
クルーソーによると、2020年時点で世界のフレアリング(フレアガス焼却)は、中東・北アフリカ(MENA)地域が38%以上を占めているという。
米国でフレアガスの排出量を削減してきた実績のあるクルーソーは、このMENA地域でも「フレアリングによる廃棄物を減らし、エネルギー供給会社による環境への影響を軽減することができる」としている。
オマーン投資庁(OIA)の技術投資担当シニア・マネージャーであるIsmail Al-Harthi氏は、次のようにコメントした。
クルーソーの提供するデジタル・フレア軽減技術は、オマーンのエネルギー生産業の環境パフォーマンスを向上させる絶好の機会を提供してくれる。
天然ガスのフレアリングを、革新的な方法で利用することで、オマーン経済の継続的な多様化実現にもつながる。
また、ムバダラ投資カンパニーのベンチャー&グロース部門責任者であるIbrahim Ajami氏は、クルーソーへの出資の意義について、次のように説明している。
クルーソーは、エネルギーとテクノロジー市場の架け橋となる革新の最前線に立っている。クルーソーの技術は、エネルギー生産時に無駄になってしまうエネルギーを回収し、クラウドコンピューティングのコストを削減するものだ。
これは、クリーンエネルギーソリューションやデータ産業に対する世界的な需要が高まっている現在の世界において重要なことである。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します