7月21日に開催迫る『G20』|仮想通貨の資産効果基準など、新フレームワークを公開

21日のG20会議に向けた規制枠組み
国際金融の規制を行う金融安定理事会は、7月21〜22日に開催されるG20を視野に、仮想通貨資産監視のための新枠組みを公開した。どのような議論が行われるのか、世界中の関係者が注目している。
国際機関でも始まる活動
証券監督者国際機構(IOSCO)、バーゼル銀行監督委員会(BCBS)、金融活動作業部会(FATF)のように、大きな影響力を持つ国際機関も着実に仮想通貨業界への関心を示しており、調査、または、取り組みが始められている。
G20とは
G20(ジートゥエンティ)は、”Group of Twenty”の略。 主要国首脳会議(G7)に加盟する7ヶ国(アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、日本、イタリア、カナダ)に加え、EU(欧州連合)、ロシア、中国、インド、ブラジル、メキシコ、南アフリカ、オーストラリア、韓国、インドネシア、サウジアラビア、トルコ、アルゼンチンといった新興国を含めた、計20ヶ国(地域)で構成される。

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次回G20会議に向けた規制枠組みを公開

国際金融に関するG20の国々の規制や、監視を行う国際機関である金融安定理事会(Financial Stability Board、以下 FSB)は、仮想通貨資産の監視のため、新たな枠組みを公開しました。

FSBは、ブエノスアイレスにて7月21日〜22日に開催されるG20に先駆け、財務大臣や各国の中央銀行代表に報告書および、標準化された枠組みを送付したことを発表しています。

この枠組みは、G10(Group of Ten)の中央銀行代表によって組織された委員会である支払・決済システム委員会(CPSS)とともに定義され、FSBが仮想通貨資産の監視に使用する基準を明らかにしています。

その枠組みをまとめたPDF(英語)には以下のように記述されています。

「この枠組みの目的は、国際的な金融安定化を阻害する可能性のある、将来の懸念点を早期特定することだ。

使用可能な公共データを使用し、リスク基準などを設けることにより、リスクを最大限抑えようと考えている。」

第一のリスク基準では、主要仮想通貨の時価総額(規模と成長率)、価格、ボラティリティを考慮します。

ICO発行や、法定通貨からの資金流入・流出は、資産効果基準に含まれており、取引高や合併、既存金融市場からの関心なども的確に分析されます。

さらにFSBは、枠組みにおいて、「消費者、投資家保護、市場健全化、そして金融安定化に向け、存在し得るリスクを特定、または緩和させることを目的としている。」と述べています。

FSBの一員で、イングランド銀行の代表を務めるMark Carney氏は、以下のように追加しました。

「現時点でFSBは、仮想通貨資産が国際金融の安定性に重大な影響を与えることはないと考えている。

しかし、市場の急激な成長速度を考慮すると、適切な監視が必要であることは十分認識している。」

国際機関でも始まる活動

規制当局は、他の国際規制機関も独自の権限で仮想通貨規制の整備を行なっており、市場の健全化に向け”一役買っている”と記述されました。

その一例として、証券監督者国際機構(International Organization of Securities Commissions、IOSCO)は、ICO Consultation Network(ICO専門家会議ネットワーク)を発足し、仮想通貨の普及とともに新たに台頭してきた資金調達法の可能性および、懸念について議論を重ねています。

さらに同機構は、国際機関メンバーに対し、国内外のICOが国内投資家に与える影響の理解を深めることを目的とした”支援の枠組み”を進展させています。

さらに、G10(Group of Ten)の中央銀行代表によって組織されている銀行委員会のバーゼル銀行監督委員会(BCBS)も、仮想通貨資産への対応を議論するとともに、仮想通貨における銀行の直接的、または間接的な関与の理解を深めるために調査を行っています。

金融活動作業部会(Financial Action Task Force、FATF)も、仮想通貨における資金洗浄やテロ資金支援に関して、G20に独自の報告書を提出しました。

今回提出された報告書は、今年3月に行われたG20会議にて決定され、7月までの提出を言い渡されていた規制枠組みの提案です。

そして、当時からFSB代表を務めるMark Carney氏は、仮想通貨資産が国際金融システムへの脅威に値しないと語っており、その評価は、仮想通貨が社会において決済手段として使用されるまで変わることはないと主張しました。

7月21日〜22日にブエノスアイレスで開催されるG20の「第3回財務大臣・中央銀行総裁会議」にて、仮想通貨関連の規制案が提案され、議論されると考えられていることから、大きな注目が集まっています。

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7月開催の次回G20へ向けて、中央銀行総裁、マネーロンダリングに関する金融活動作業部会(FAFT)、経済協力開発機構(OECD)が、G20の規制案を担当。建設的な議論、および規制提案がされる見通しです。

G20 Watchdog Develops ‘Vigilant’ Cryptocurrency Monitoring Framework

JULY 16, 2018, Samburaj Das

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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