業務改善命令の期限が本日まで|17日には金融庁の新体制、仮想通貨に関する自民党の議員連盟が発足

業務改善命令の提出期限を迎える
大手取引所6社への業務改善命令(業務改善計画)の提出期限を迎えた本日。直近17日には、金融庁の新体制と仮想通貨に関する自民党の議員連盟が発足しており、申請待ち取引所の審査再開や、市場期待度の高いビットコインETFの受け入れ体制など、進展が期待される。

業務改善命令(業務改善計画)の提出期限を迎える

2018年6月22日、金融庁は認可済みの大手仮想通貨取引所6社に対して、業務改善命令を発令しました。

これまでも業務改善命令を受けた取引所の運営会社は複数ありましたが、いずれも金融庁の認可を得ていない「みなし業者」でした。

この件では、金融庁の審査をクリアした正規の仮想通貨取引所でも、仮想通貨市場の急成長に伴う業容拡大に対して人員が追い付いておらず、経営・管理体制の不備を露呈したことで、投資家の不安を煽るなど市場を揺るがすニュースとなりました。

業務改善命令を受けたのは、以下の6社です。

  • ビットポイントジャパン
  • BTCボックス
  • ビットバンク
  • bitFlyer
  • QUOINE
  • テックビューロ

業務改善命令内容の一覧

市場の健全化は急務

期限となる7月23日を通過することで、「業務改善命令」で指摘した課題面について、各取引所が適切に対応していると金融庁に評価された場合、日本の仮想通貨市場の健全化に向けて大きな一歩であると評価できる上、コインチェック社など現在”認可待ち”の取引所の審査業務の本格再開など、業界の前進につながることから、材料視される可能性も考えられます。

昨今では、世界的な「仮想通貨規制」ニュースが強まり、それに伴って相場が乱高下するなど不安定な様相を呈していますが、各国の規制当局による”適切な規制”は必要不可欠です。

なぜなら、マネーロンダリングや詐欺商法などの犯罪に悪用されるリスクをきちんと取り締まり、セキュリティ面や管理体制のチェックで取引の安全性を高めることにより、仮想通貨市場に不安を感じて躊躇している客層の新規流入につながるだけでなく、莫大な資金力を持つ機関投資家の参入には、国際基準の制定など市場整備が大前提となるからです。

3年ぶりに金融庁の”新体制”発足

これに先駆け、7月17日付で金融庁の体制が変わり、「森 信親」金融庁長官が退任し、後任として「遠藤 俊英」監督局長を新長官に起用することを発表。

仮想通貨などフィンテック関連の対応を担う新しい部署として、総合政策局と企画市場局を創設しており、その動向が期待されています。

自民党の議員連盟が仮想通貨について議論

さらに同日(7月17日)には、自民党の有志が「新型通貨の適正利用を考える議員連盟」を創立。投資家の安全を確保することで、仮想通貨取引に関するさまざまな問題点の解消をサポートする狙いがあるとされています。

読売新聞が報じたところによると、自民党の議員連盟は、仮想通貨交換業者を「金融商品取引法」の対象とする法改正や、投資家保護のあり方などを検討するとしており、同議連の会長には、竹本直一衆院議員(@NaokazuTakemoto)が就任しています。

仮想通貨が金商法の対象となることで、仮想通貨が「金融商品」と定義され、金融機関が「ビットコインETF(上場投資信託)」などのデリバティブ(金融派生商品)を取り扱う可能性もあるため、投資家はもちろん、金融市場からも大きな関心と期待を集めていると言えるでしょう。

また、経済評論家・参議院議員(日本維新の会)の藤巻議員も、ビットコインとイーサリアムのCFD取引(差金決済取引)に関して、ビットコインETFなどのデリバティブ(金融派生商品)の重要性について、以下のような見解を述べており、日本の国会議員の間でも”新しい資産クラス”である仮想通貨やブロックチェーンに対する前向きな言及が増えつつあることが確認できます。

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異例の3期続投となった金融庁の森長官が3年ぶりに交代することで、ターニングポイントを迎える日本の金融業界。森長官は、17年4月に「改正資金決済法」を施行、世界に先駆けて仮想通貨市場のルール整備を行ったことで市場規模拡大に貢献するなど、フィンテック業界への多大な貢献が評価されている。
今月27日からニューヨークで、業界初となる仮想通貨ヘッジファンドサミットが開催される。仮想通貨ヘッジファンドの成長は、機関投資家などの莫大な資金の流入を意味し、市場の拡大に繋がるため、今回のサミットで、機関投資家参入の促進が期待される。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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