WOO Networkなど24社、台湾金融庁からマネロン対策準拠の認可取得
WOO NetworkのAML責務
暗号資産(仮想通貨)取引所を運営するWOO Networkは8日、台湾の金融規制当局(FSC)に対するマネーロンダリング対策(AML)に関する遵守宣言を完了したことを発表した。台湾で銀行パートナーと協力し、法定通貨ベースの仮想通貨取引サービスを提供可能になる。
「台湾人は所得水準が高く、金融リテラシーも高いため、そのポテンシャルは非常に大きい」とWOO NetworkのJack Tan創業者兼最高経営責任者(CEO)は語る。
ポートフォリオの多様化を目指す中国語圏の市場に、多くの外資系企業がサービスを提供しようとしている中、認可は我々にとって重要なマイルストーンとなる。
今回の決定は台湾の規制当局がイノベーションの支援とユーザー保護のバランスを取ろうとしていることを証明している。
リリースでWOO Networkは、今回認可された24の仮想資産プロバイダー(VASP)の中で唯一の外国申請者となった、と強調する。台湾の金融庁に当たる「金融監督管理委員会(FSC)に公開されたリストによると、他に認可を受けた企業には現地取引所Max ExchangeやACE等がある。
WOO Networkが運営する「WOO X」は、プロトレーダー向けの取引プラットフォーム。「ディープ・リクイディティ」と呼ばれる、取引所・機関・DeFiプラットフォームを結ぶ流動性ネットワークと、独自トークン(WOO)を用いた手数料割引を特徴とする。WOO Networkは、裁定取引と高頻度取引を専門とするトレーディング会社Kronos Researchにサポートされている。
WOO Networkの法務およびAMLの責任者であるChloe Tsai氏によると、同社はレバレッジ取引を除外した台湾のユーザー専用のアプリケーションを作成する。まずは台湾の大手銀行1行との連携をスタートさせ、徐々に複数の銀行へと展開する目論みだ。
関連:仮想通貨市場でセキュリティ・インシデント相次ぐ、台湾情勢を巡る地政学リスクにも注視
台湾の仮想通貨規制
金融監督管理委員会(FSC)は、18年にVASPに対してマネーロンダリング防止(AML)規制を遵守するよう表明。21年4月にFATF(金融活動作業部会)のガイダンスに沿った関連規則を起草した。
FSCへのマネーロンダリング防止法の遵守宣言を完了した事業者は、マネロン及びテロ資金供与対策(AML/CFTL)規制の実施の責務を負う。FSCは、WOO Networkを含む24事業者の承認について「オペレーターが行う仮想通貨活動を承認する訳ではない」と注記している。
FSCは7月初め、銀行業界団体に対して、クレジットカード会社が仮想通貨サービスプロバイダーを加盟店としないように求める通知を出していた。
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します