ビットコイン大幅下落、目先の底堅さに期待も|bitbankアナリスト寄稿
今週(17日〜22日)の仮想通貨相場
国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
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bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
17日〜22日レポート:
今週のビットコイン(BTC)対円は、260万円〜287万円の狭いレンジで揉み合いとなっていおり、22日朝の時点で260万円台後半で推移している。週末にThe Mergeの際にハードフォークで分岐したPoW版イーサ(ETHW)がリプレイ攻撃を受けた可能性が浮上し、ETHW相場が崩れると、ETHやBTCも連れ安となり、BTC相場は280万円を割り込む展開。
週明けになると、米連邦公開市場委員会(FOMC)を警戒した米株先物の下落に連れ安となり、相場はさらに下げ足を速め270万円をも割り込んだ。
19日には、米株の売りが一服しBTC相場も下げ幅を縮小したが、再び米長期金利が上昇したことで出戻り失敗。280万円回復とはならなかった。週央にかけてのBTCは、FOMCを目前にポジション調整が入ったか上昇し280万円台に乗せたが、イベント通過後は乱高下の末下落に転じ、260万円台中盤まで押し返された。
ただ、8月米消費者物価指数(CPI)の上振れを受けて、FOMCで積極的な引き締め継続が決定されることの織り込みが進んでいたこともあり、22日東京時間では下げ幅を縮小し270万円回復を試している。
FOMCは75ベーシスポイント(bp)利上げ決定と、年末と来年末の政策金利着地見通しを、それぞれ3.4%→4.4%と3.8%→4.6%と大幅に引き上げた。CPIの発表後には来年も利上げが継続するシナリオの織り込みが加速したが、いずれの見通しも市場予想を上回る結果となった。
ただ、それでもFF金利先物市場は、来年9月からの利下げを織り込んでいる。これは、積極的な金融引き締めにより景気が抑制され、FRBが利下げを強いられるシナリオを市場が織り込んでいると言える。
パウエル議長は先のジャクソンホール会議で景気抑制的な政策を容認する姿勢を示したが、今回、会合後の記者会見でははっきりと景気後退入りの可能性があることを認めており、確かにそろそろFRBが慎重姿勢を示し始めてもおかしくはなさそうだ。
他方、BTC相場は年初来安値は維持しつつ、先物資金調達率は22日の相場下落に伴いマイナス圏に沈んでおり、目先の底堅さが期待できる。中長期的なスパンでも、堅調なハッシュレートの推移や、流通するBTCの含み益割合低下は続いており、相場の大底形成という見立てに現状変わりはない。
来週はFRBがインフレ指標として参照する個人消費支出(PCE)の8月分が発表される。CPIは市場の期待していたほど低下せず、コア指数は7月からまさかの加速という結果になったため、週後半からはPCEを警戒した動きも想定される。
関連:bitbank_markets公式サイト
前回のレポート:ビットコイン相場の大底形成がより濃厚か、市場は上値追う展開
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