はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン相場の大底形成がより濃厚か、市場は上値追う展開|bitbankアナリスト寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

今週(3日〜9日)の仮想通貨相場

国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。


目次
  1. ビットコイン・オンチェーンデータ
  2. bitbank寄稿

ビットコイン・オンチェーンデータ

BTC取引数

BTC取引数(月次)

アクティブアドレス数

アクティブアドレス数(月次)

BTCマイニングプールの送金先

取引所・その他サービス

bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

3日〜9日レポート:

今週のビットコイン(BTC)対円は、週央にかけて下値を模索するも反発し、9日13時時点で2万ドル水準の285万円を回復している。

週前半のBTC相場は、2万ドル水準を巡り揉み合いに終始。The Mergeを控えたイーサリアムのイーサ(ETH)を筆頭にアルトコイン相場が強含んだが、BTCの上げ幅は今一つだった。

一方、週央に差し掛かるとBellatrixを通過しETH相場が失速の後、他のアルトコインも道連れに急反落。この日は8月米ISM非製造業景況感指数と雇用指数の改善を受けて米金融政策引き締め継続懸念も再燃し、BTC相場は安値を模索する展開に転じた。

もっとも、BTC相場は270万円周辺で下げ止まると、円安の影響を受けジリ高に転じ、ブレイナード米連邦準備制度理事会(FRB)副議長が政策引き締めによるリスクについて言及したことを好感し、戻りを試した。

8日には、欧州中央銀行(ECB)の大幅利上げとパウエルFRB議長のタカ派的発言があったが、市場の反応は薄く、BTC相場は270万円台中盤で揉み合い。9日東京時間には280万円台に乗せ、上値を追う展開を演じている。

【第1図:BTC対円チャート(1時間足)】出所:bitbank.ccより作成

米金融政策を巡って市場は先行きを楽観視していることが指摘される。ブレイナード副議長は政策引き締めの経済へのリスクを指摘したが、インフレ抑制に向けて引き締め継続の必要性も同時に訴えている。また、パウエル議長は時期尚早な利上げ停止と金利引き下げに警鐘を鳴らしており、タカ派姿勢を全く崩していない。

そんな中、FF金利先物市場では9月の75bp利上げの織り込みが進んだが、来年からは利上げがストップする予想が大勢となっている。FRB関係者の中には、政策金利を4%以上に引き上げる可能性を示唆しているメンバーや、来年の金利見通しを引き下げる可能性は低いと言うメンバーもいるため、経済見通し(Summary of Economic Projections)でネガティブサプライズが出る可能性を織り込みきれていないと指摘される。

ただ、今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)までにはもう少し時間がある。直近数日以内に実行されるイーサリアムのParis(The Mergeの最終段階)や、7月からの減速が見込まれる8月米消費者物価指数(CPI)を控え暗号資産(仮想通貨)市場ではリスク選好度が少しは上向くことが想定される。もっとも、Paris通過後には事実確定売りにも注意が必要と指摘され、来週はFOMCの前の週となるが、仮想通貨に限っては荒れ模様となることも想定しておきたい。

さて、先週はビットコイン・ハッシュレートの回復を引き合いに相場が大底を形成している可能性を指摘したが、今週はビットコインの黒字コイン割合(PSP、Percent Supply in Profit)がついに売られ過ぎ水準を示す50%を一時的に下回った。引き続き、米金融政策動向を巡りリスクを抱えている状態ではあるが、BTC相場の大底形成がより濃厚となってきたか。

【第2図:BTC対円、黒字コイン割合チャート(日次)】出所:bitbank.cc、Glassnodeより作成

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

関連:bitbank_markets公式サイト

前回のレポート:ビットコインは上値の重い展開、来週も重要指標が目白押し

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
04/01 火曜日
17:40
メタプラネット、ビットコインを696 BTC追加購入
メタプラネットが696BTCを追加取得した。キャッシュ担保付きプットオプションで第1四半期に7.7億円の収益を計上し、長期的なビットコイン蓄積と安定収益を同時に狙う戦略を公開した。
15:02
オリコン調査 ビットコイン取引所満足度ランキングbitbankが首位【現物取引】
オリコン顧客満足度調査2025で暗号資産取引所を徹底比較。現物取引ではbitbankが2年連続の総合1位を獲得し、手数料・システム安定性で3年連続首位となった。GMOコインはステーキング・レンディングで高評価。6,260人の利用者の声から見る信頼性の高い取引所選びに。
14:15
エックスモバイルがWeb3参入 暗号資産モバイルサービスを今年度中に開始
マジモバ・ホリエモバに続く展開 格安携帯電話サービスを提供するMVNO「エックスモバイル」は1日、暗号資産(仮想通貨)を含むWeb3事業への本格参入を発表した。今年度中に、ブロ…
13:45
テザー、1Qに8888BTC追加購入
ステーブルコイン最大手テザーが2025年第1四半期に約1,100億円相当のビットコインを追加購入。総保有量は92,647BTCとなり世界第6位のホルダーに。
13:10
イーサリアムL1の手数料収益が大幅減少 目標達成も課題浮上
仮想通貨イーサリアムのDencunアップグレード後、L1の手数料収益が大幅に低下。ガス代削減という目標は達成したものの、ETHのインフレ課題が浮上していることを解説する。
12:11
トランプ関税発表控え緊迫するビットコイン市場、ETF資金流入とマイニング課題の狭間で
4月2日のトランプ関税発表を控え、ビットコイン市場は複雑な状況に直面している。一方ではETFへの資金流入が9営業日連続で続き回復の兆しを見せる一方、マイニングコストは87,000ドルまで上昇。さらにハッシュレートは史上最高の8億5,000万TH/sを記録するという矛盾した状況だ。市場のリスク回避姿勢が強まる中、投資家とマイナーの動向から見える業界の今後を分析する。
11:25
ヘデラ関連企業ハッシュグラフ、企業向けネットワーク「HashSphere」発表
仮想通貨ヘデラ関連企業ハッシュグラフは、プライベートな許可型ネットワークHashSphereを発表。開発目的や想定するユースケース、今後の開発計画が明らかになった。
11:00
米上院議員、退職金での仮想通貨投資を可能にする『金融自由法案』を提出
米国のトミー・タバービル上院議員が退職金プランでの仮想通貨投資を許可する金融自由法案を提出。旧バイデン政権の規制に対抗し、トランプ大統領の仮想通貨支持政策を後押しする内容に。
10:10
REDXがBingXへの上場発表 モバイルサービス「REDX MOBILE」でユーティリティ拡張へ
ブロックチェーン×エンターテインメントを融合させたWeb3プロジェクト「REDX(レッドエックス)」は、2025年4月1日より、トークン還元型の次世代モバイルサービス「REDX…
10:00
トランプ大統領の仮想通貨活動に共和党内から異例の苦言
米下院金融サービス委員会のヒル委員長が、トランプ大統領の仮想通貨事業がステーブルコイン規制議論を複雑化させていると発言した。民主党からの批判を招いていることが背景だ。
08:40
トランプ家、ビットコインマイニング事業参入 Hut 8社と合弁会社『American Bitcoin』設立
Hut 8社と合弁会社『American Bitcoin』設立 米国の上場企業Hut 8(ハット・エイト)は、ドナルド・トランプ大統領の息子エリック・トランプ氏とドナルド・トラ…
08:01
ブラジル金融当局、主要年金基金の仮想通貨投資を全面禁止
ブラジル国家通貨評議会が年金事業体による仮想通貨投資を禁止。高リスクを理由に規制強化する一方、英国のカートライト社や米国複数州の年金基金はビットコイン投資を進めており、国際的な規制姿勢の違いが鮮明に。
07:30
ブラックロックCEOが見解、ビットコインが米ドルの支配的地位を奪うリスク
ブラックロックのCEOは、米国の債務が増加している現状に警鐘を鳴らし、債務を制御できなくなれば、ドルの準備通貨の地位が仮想通貨ビットコインのようなデジタル資産に奪われるリスクがあると指摘した。
07:00
ビットコイン、S&P500との相関性低下か クジラ数は3ヶ月ぶりの高水準
仮想通貨ビットコインはS&P500が下落する中でプラス推移し相関性の低下を示唆。1,000BTC以上保有のクジラウォレットは3月から11増加し1,991に到達。Cryptoquantアナリストは2020年の強気相場と類似したパターンを指摘した。
06:30
2880億円規模のビットコイン買い増し、ストラテジー社
米ストラテジー社は3月31日、22,048の仮想通貨ビットコインをさらに追加購入したことを公表した。今回の購入規模は2880億円相当のもので、このニュースが好感されビットコイン市場は一時83,757ドルまで反発。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧