英国下院、仮想通貨を金融商品として規制する法案可決

金融サービス・市場法の修正案が一歩前進

英国下院は25日、金融サービス・市場法案の修正案を可決した。今回の修正案によって暗号資産(仮想通貨)を金融商品として規制できることを明確にすることになる。

修正案は、仮想通貨を2000年金融サービス・市場法の枠組みの下に置くもので、広告の規制や、企業の登録制などにも道を開く見込みだ。成立するには、今後上院を通過し、もう一度最終的な審議を行った後に国王が署名する必要がある。

修正案を提出したアンドリュー・グリフィス議員は法案の目的について「仮想通貨を、他の金融資産と同様に扱うことだ。仮想通貨を優遇するのではなく、初めて規制の対象とすることである」と説明した。

なお、金融サービス・市場法案には、ステーブルコインを英国で決済手段として規制することを可能にする内容も含まれている。

ステーブルコインとは

価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値($1)を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、DAIやUSTといったアルゴリズムを利用するステーブルコインもある。

▶️仮想通貨用語集

新首相に期待高まる

英国では、仮想通貨を後押しする政策を打ち出してきた実績のあるリシ・スナク元財務大臣が新たに首相に選出されたところだ。新首相の下で、仮想通貨の普及が進むと期待の声も上がっている。

スナク氏選出を受けて、英国の「仮想通貨・デジタル資産超党派議会グループ(APPG)」は同25日に早速、政府に仮想通貨規制の明確化を求める声明を出した。

APPG議長を務めるリサ・キャメロン議員が、次のように述べた格好だ。

英国の仮想通貨・デジタル資産企業は、仮想通貨に対する英国政府の政策について明確さを切実に必要としている。それは英国政府が、仮想通貨セクターについての構想を実現していくためにも重要だ。

リスクについてバランスの取れたアプローチを取り、高いレベルの消費者保護を確保しつつ、この分野の成長とイノベーションを妨げないような、適切なアプローチが必要である。

APPGは、国会議員や、規制当局、政府、関連業界が仮想通貨セクターに関する課題やチャンス、規制を議論するためのフォーラムを提供する議員グループだ。

APPGは公式サイトで、「英国の成人300万人が何らかの形で仮想通貨を所有する」中で、規制課題などを理解するために、「業界のステークホルダーと政策立案者を結びつける手助けをしている」と説明している。

スナク氏が過去に示した方針

スナク首相は、4月に「英国を仮想通貨テクノロジーの中心地」にする計画を発表していた。「金融市場インフラのサンドボックス制」、「仮想通貨市場の発展を推進するために税制の競争力を強化すること」「王立造幣局と協力してNFT(非代替性トークン)を発行すること」など、様々な方針を示していた。

スナク氏は現時点まだ仮想通貨についての具体的な政策は提示してないが、これからの動向に期待が高まっている状況だ。

NFTとは

「Non-Fungible Token」の略称で、代替不可能で固有の価値を持つデジタルトークンのこと。ブロックチェーンゲームの「デジタルアイテム」交換などに用いられるのみならず、高額アート作品の所有権証明や、中古販売では実現の難しかった「二次流通市場」における権利者(クリエイター)への画期的な還元手段としても注目を集める。

▶️仮想通貨用語集

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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