バイナンス、ツイッターのボット対策でマスク氏を支援へ
ブロックチェーンでボット対策を支援
大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスは28日、ボットアカウントを抑制する取り組みでツイッター社を支援するため、内部チームを結成していると明かした。デクリプトが報じた。
この取り組みはブロックチェーンを使用したものとなる予定だ。バイナンスの広報担当者は、次のように話している。
バイナンスは、ブロックチェーンと仮想通貨でツイッターを支援する方法を探るために内部チームを結成し、イーロン・マスク氏の構想実現を助けるような戦略をブレインストーミングしている。
例えば、近年のボットアカウント蔓延などの問題に対処するために、どのようなオンチェーンソリューションを構築することができるか、などを探っている。現在はまだ初期段階であり、計画を練っているところだ。
バイナンスは、マスク氏がツイッター社を買収する際、約740億円(5億ドル)を出資している。同社はこの計画を5月時点で明かしており、当時Changpeng Zhao(CZ)CEOは、「大義への小さな貢献」だとコメントしていた。
ツイッター上のボットアカウント
バイナンスの広報担当者も言及したように、この動きの背景にはマスク氏のツイッター社買収完了がある。マスク氏は27日、約6兆4,000億円で買収を完了した。
マスク氏は、買収交渉過程でツイッターにはスパムアカウントなどのボットが多いと指摘していた経緯がある。ツイッター社は公式にスパムアカウントの割合を「5%未満」と発表していたが、マスク氏はこの数字に疑念を表明し、「詳細が分かるまでは買収を保留する」としていた。
これを受けて米リサーチ企業SparkToroらが行った調査では、アクティブアカウントの約19%がフェイクあるいはスパムだったと推定されている。
マスク氏のビジョン
マスク氏は27日、ツイッター社を買収した理由はお金儲けなどではないとして、次のように説明した。
ツイッター社を買収したのは、人類の未来にとって共有のデジタル広場を持つことが重要だからだ。様々な考えを健全なやり方で、暴力に頼ることなく議論できる広場である。
現在ソーシャルメディア上で、人々が極右・極左グループに分かれていく危険が存在している。そうなれば、さらに社会が分断され憎しみが生み出される。
マスク氏はさらに、「ツイッター社は、広い視点を持つコンテンツ評議会を結成する予定だ。この評議会が招集されるまでは、ツイート内容に関する重要な決定や、アカウントの復活が行われることはない」と説明した。
「ツイッターの素晴らしいところは、市民ジャーナリズムに力を与えることだ。人々は既存の偏見から離れたところからニュースを発信することができる」とも述べている。
バイナンスの動きも、こうしたビジョンを支援するものの一環となりそうだ。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します