アラメダ破綻の影響でソラナ基盤のDEX「Serum」閉鎖へ、新たにOpenbookをローンチ
Openbookのローンチ
ソラナ基盤のDEX(分散型取引所)インフラプロジェクト「Project Serum(セラム)」は29日、メインネットのプログラム機能不全とセキュリティリスクを考慮して、別途ローンチされたフォーク版の「Openbook」を発表した。
Openbookは、すでにソラナのメインネット(β)で稼働しており、DeFillamaによると1日の取引高は2億円(150万ドル)ほど。手数料、トークン、ガバナンス構造などの詳細については未決定であり、コミュニティからのフィードバックで決めていく方針だ。
SerumのネイティブトークンSRMの今後のユースケースについても、Discord上のコミュニケーションチャネルで議論されることとなる。コミュニティからはOpenbookで手数料割引を受けられるユースケースをSRMに付加する提案も出ているが、FTXグループがSRMを大量保有することを嫌気する反対論者も多い。
Project Serumは、暗号資産(仮想通貨)取引所FTXが20年8月に立ち上げたDEXインフラプロジェクト。ソラナのDEXプロジェクトの流動性ハブとして機能する設計で、RaydiumやMango Marketなど他のDEXの基盤となった。
FTX破綻の影響
11月11日、ヘッジファンドのアラメダ・リサーチおよび関連する大手取引所FTXが米連邦破産法11条(チャプターイレブン)破産申請後、深刻な影響が懸念されていたSerumのプログラムコードをアップグレードできることが判明。
直近で4.7億ドル規模の不正流出が発覚するなどFTXの信頼が失墜していたこともあり、ソラナの創設者Anatoly Yakovenko氏はハッキング被害を防ぐためにSerumの緊急フォークを実施した。
騒動を通してSerumの独自トークン(SRM)の価値は激しく変動し、CoinGeckoのデータでは執筆時点で前月比-69%、前年比-95%となっている。
また、Serumの取引量と流動性は実質ゼロとなっている。なお、JupiterExchange、RaydiumProtocolといったDEXは、すでにSerumの流動性基盤から独立して稼働しているという。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します