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EU、ロシア関連仮想通貨取引の全面禁止を提案 制裁回避を遮断

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

EUによるロシア制裁強化

欧州連合(EU)が、ロシアに対する経済制裁強化の一環として、同国に拠点を置くすべての暗号資産(仮想通貨)事業者との取引を全面的に禁止する案を検討していることが明らかになった。フィナンシャル・タイムズ(FT)紙が報じた内部文書によると、この提案は従来の個別企業を対象とした制裁から一歩踏み込み、巧妙化する制裁回避の「抜け穴」を根本から塞ぐ狙いがある。

報道によると、制裁対象となった企業が次々と後継組織を設立し規制を回避したため、個別事業者を標的にすることは効果がないとEU当局は判断。こうした「いたちごっこ」を終結させるため、今回包括的禁止に踏み切る方針に転換した。

具体的には、ロシア国内に設立されたあらゆる仮想通貨サービスプロバイダーとの取引及び仮想通貨の移転・交換を可能にするプラットフォームの利用の禁止が提案されている。

欧州委員会の提案は、2022年にサイバー犯罪活動を助長したとして米国から制裁を受けたロシア関連の取引所「Garantex」の後継企業の台頭を阻止することに重点を置いている。また、この提案はロシアの決済プラットフォーム「A7」と、同プラットフォームが発行するルーブル連動型ステーブルコイン「A7A5」にも狙いを定めていると見られる。

A7に対しては、すでに米英およびEUが制限措置を講じているが、ブロックチェーン分析会社Ellipticによると、ステーブルコインA7A5の総取引量は1月に1,000億ドルを突破。既存の制裁をすり抜けて利用が拡大している実態が浮き彫りとなっている。

ロシアは2024年8月、プーチン大統領の署名により国際決済における仮想通貨利用を合法化。欧米の金融制裁を回避する戦略的な代替手段として位置づけてきた。

今回の包括的な措置には、近年ロシアが開発してきた中央銀行デジタル通貨(CBDC)であるデジタルルーブル取引の全面禁止も含まれている。

EUは6日に発表した第20次対ロシア制裁パッケージで、「ロシアの弱点」を突くことを目的として、「制裁を回避するための代替決済手段の構築を制限する」と強調。新たにロシア国内の地方銀行20行を制裁リストに加え、仮想通貨とその取引企業・取引プラットフォームにも対象を広げて、資金の迂回経路を塞ぐ。また「制裁対象品の違法取引を助長する第三国の複数の銀行も標的とする」と付け加えた。

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第3国への圧力と石油輸送規制の厳格化

EUは、キルギスの企業が兵器やドローンに使用される工作機械や電子機器など、禁止対象品をロシアに販売していると指摘。キルギスに対し、特定の軍民両用商品の輸出禁止を提案している。この禁止措置は、制裁回避防止のための新権限の初適用となる。

文書によれば、ウクライナとの開戦以来、EUからキルギスへの「共通高優先度品目」の輸出は約9倍(800%増)に急増。同時にキルギスからロシアへの輸出も13倍(1,200%増)に達しており、制裁回避のリスクが非常に高いとされている。

EUは「複数回の要請と協議にもかかわらず、キルギス共和国は十分な措置を採用・施行していない」と指摘。EUのデビッド・オサリバン制裁担当特使が、今月下旬にキルギスを訪問し、迂回に関する懸念について協議する予定となっている。

新たな制裁案には、ロシア産原油を輸送する船舶へのサービス提供を全面的に禁止する措置も盛り込まれている。これにより、タンカーに対する保険の引き受けや保守管理、その他の付帯サービスの提供が禁止されることになる。

この措置は、ロシアの輸出収入を抑えるためにG7が導入した、上限価格を超えた取引のみを制限する現行の「価格上限制」を事実上撤廃し、より厳格な規制へと置き換えるものとなる。

合意の見通しは

欧州委員会は当初、この措置について、ロシアによるウクライナ侵攻4周年となる2月24日までの合意を目指していた。

新たな制裁措置にはEU加盟国の全会一致の承認が必要となる。しかし、協議について説明を受けた匿名の外交官3人によると、EU加盟27カ国のうち3カ国が疑念を表明している。

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