- 7月13日再開まで休会中、採決へ向けた交渉が水面下で続く
- 2026年成立確率が60%から50%にダウン
2週間が成否の鍵
米仮想通貨専門メディアのクリプト・イン・アメリカは29日、仮想通貨市場構造法「クラリティー法案」の上院採決を左右する2週間が始まったと論じた。上院は7月13日まで休会中で、この間に両党スタッフ・ホワイトハウス関係者・業界関係者が残る課題の解決を急いでいる。
クラリティー法案は、ビットコインなどの仮想通貨を米商品先物取引委員会(CFTC)の監督下に置き、投資契約に該当するデジタル資産トークンについては証券取引委員会(SEC)が管轄するという二元的な規制体制を定める法案だ。長年曖昧なままだったCFTCとSECの管轄重複問題を解消し、米国内の仮想通貨事業環境を整備することを目的としている。
報道によると、上院多数派院内総務のジョン・スーン氏は7月13日の審議再開後、まず国防権限法(NDAA)の処理を優先する方針を示した。その後の日程として、クラリティー法案が本会議に上程されるのは同月後半か、8月の夏季休会前の最初の週になる可能性があるという。
業界の通説では、クラリティー法案が今年中に成立するには8月の休会前に上院を通過することが必要条件とされている。そのためには、共和党53名全員が賛成に回った場合でも、議事妨害回避に必要な60票に達するには少なくとも7名の民主党議員の支持が不可欠だ。
ただし共和党の全員賛成も保証されておらず、昨年ジーニアス法の本会議審議ではジョシュ・ホーリー氏とランド・ポール氏が反対票を投じた経緯がある。
関連記事:グレースケール、ビットコイン底打ちの条件を提示 FRB金利とクラリティー法が焦点
グレースケールのリサーチ責任者が仮想通貨市場の行方を左右する2つのシナリオを提示。クラリティー法の成否とFRBの利上げ判断が焦点で、底打ちの条件を分析した。ストラテジーのバランスシート動向も注目材料と指摘する。
最大の焦点は倫理条項
民主党の多くが採決支持の条件に掲げるのが、トランプ大統領の仮想通貨関連事業に関する倫理条項の明記だ。トランプ氏は就任以降、仮想通貨事業で20億ドルを超える新たな資産を得たとされる。
民主党のアンジェラ・アルソブルックス上院議員は26日、「倫理条項の明記は不可欠だ」と述べつつ、協議は「合意に近い段階にある」とした。
シンシア・ルミス上院議員は25日のメディアインタビューで、新草案には公職者が発行するトークンを上場した仮想通貨取引所に対して州司法長官が提訴できる条項が含まれる可能性があると語った。ただし最終的な妥協案にはトランプ大統領の署名が必要だ。
また、自己管理型の仮想通貨開発者を資金移動業者とみなさないとするセーフハーバー条項をめぐっても対立が続く。第604条に盛り込まれたブロックチェーン規制確実性法(BRCA)に対し、全米保安官協会など複数の法執行機関は「ミキサーやDeFiへの一括免除を認める合理的な理由はない」として条文の修正を求めている。この事態を受け、ホワイトハウスは懸念を解消するために反対する法執行機関を今週月曜日に会議に招待し違法金融対策について協議したと報じられた。
さらに、クラリティー法案は銀行委員会と農業委員会がそれぞれ独自の条文を作成しており、両案の統合が進められている。連邦法の州法への優先適用の範囲、仮想通貨取引所の利益相反管理、関連会社との取引制限の3点は依然として解決していない。
背景記事:米クラリティー法案、7月採決が正念場に
米国の仮想通貨市場構造を定めるクラリティー法案について、上院では7月13日から8月7日の約4週間が本会議採決の事実上の最終機会となっている。倫理条項や違法資金対策をめぐる交渉が続く中、議員・業界・記者それぞれが見通しを語った。
成立確率は60%から50%へ
ギャラクシー・リサーチのアナリスト、アレックス・ソーン氏は27日、同法案の年内成立確率を60%から50%に引き下げたと発表した。主な要因として法案の内容ではなく、上院の審議日程の制約を挙げた。
ソーン氏は確率引き上げの条件として、銀行・農業委による統合テキストの公表、倫理条項またはBRCAをめぐる妥協案の合意、そして7月中の審議日程確定の3点を列挙した。しかし審議日程が公表されなければ成立確率はさらに下がると分析した。
関連記事:ギャラクシー・リサーチ、クラリティー法が2026年成立の確率を50%に引き下げ
ギャラクシー・リサーチのアレックス・ソーン氏が、クラリティー法の2026年成立確率を60%から50%に引き下げた。上院日程の逼迫と倫理条項をめぐる交渉停滞が主因。7月初旬の審議日程確定が分岐点になる。
日程競合も深刻化している。6月24日にトランプ大統領が超党派の住宅法案への署名を拒否し、別の選挙法案(SAVE法)の成立を条件に掲げた。外国人監視法(FISA)の通信傍受条項の再承認や国防権限法(NDAA)の処理も残っており、クラリティー法案が上院の審議枠を確保できる余地は急速に縮小している。
ソラナ・ポリシー・インスティテュートのプレジデント、クリスティン・スミス氏は26日、「7月13日から8月7日までの4週間が、上院でこの法案を前進させる重要な期間だ」とSNS上で述べた。8月の休会前に上院で可決できなければ、11月選挙後の短期的会期への持ち越しも視野に入り、立法の推進力が大幅に低下するとみられている。
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