- 成立確率を60%→50%に引き下げ、上院日程の逼迫が主因
- 7月初旬の審議日程確定がなければ、9月以降に先送りの公算
確率引き下げの背景と上院の日程競合
仮想通貨市場構造法「クラリティー法(CLARITY Act)」の2026年成立確率について、ギャラクシー・リサーチのアナリスト、アレックス・ソーン(Alex Thorn)氏は27日、同確率を60%から50%に引き下げたと発表した。主な要因は法案の内容そのものではなく、上院審議日程の逼迫だとしている。
クラリティー法は5月14日に上院銀行委員会を15対9で通過し、6月1日以降は上院の立法カレンダーの423番に掲載されたままの状態が続く。採決日の設定も、審議入り動議の提出もなく、銀行委と農業委の条文統合作業はスタッフ級の協議にとどまる。
倫理条項をめぐってはギャレゴ議員とブッカー議員が執行可能な基準の明記を要求しており、開発者保護条項に対する法執行当局側の懸念も依然として残る。
日程競合も深刻化している。6月24日にトランプ大統領が超党派の住宅法案への署名を拒否し、「SAVE法(有権者の市民権証明を義務付ける選挙法案)」の成立を条件に掲げた。
これが上院指導部の時間をさらに奪う要因となった。このほか、外国人監視法(FISA)の通信傍受条項の再承認、毎年恒例の国防権限法(NDAA)の処理も残っており、クラリティー法が審議枠を確保できる余地は急速に縮小している。
関連記事:米クラリティー法案、7月採決が正念場に
米国の仮想通貨市場構造を定めるクラリティー法案について、上院では7月13日から8月7日の約4週間が本会議採決の事実上の最終機会となっている。倫理条項や違法資金対策をめぐる交渉が続く中、議員・業界・記者それぞれが見通しを語った。
7月初旬の日程公表が分岐点
ソーン氏は、60票獲得が必要な本法案が成立するには、銀行・農業委の統合テキスト確定、審議入り動議、本会議審議、修正案プロセスを経たうえで下院対応を行う必要があるとし、残された時間は「数週間」だと指摘する。
上院多数派院内総務のスーン氏が7月初旬までに審議日程を公表し、夏季休会(8月)前に採決を実現しなければ、審議は9月以降に持ち越されるとみている。9月は中間選挙前の政治的な膠着が生じやすい時期であり、その場合は成立確率がさらに低下するとした。
一方で確率の引き上げ要因として、銀行・農業委による統合テキストの公表、倫理条項またはブロックチェーン規制明確化法(BRCA)の開発者保護条項をめぐる妥協案の合意、そして7月の審議日程確定の3点を挙げた。
今後2週間以内に審議日程が公表されれば確率は60%以上に戻る可能性があるとしつつ、7月中旬まで沈黙が続けば下方修正を余儀なくされるとの見方を示した。
関連記事:トランプ大統領、CBDC条項含む住宅法案への署名延期 クラリティー法案への影響可能性
トランプ大統領が「米国救済法」の成立を優先し、CBDC禁止条項を含む住宅関連法案の署名式を中止。仮想通貨市場構造を定めるクラリティー法審議日程への影響も懸念される。
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