- トランプ大統領が「米国救済法」の成立を優先
- クラリティー法審議日程への影響も懸念
「米国救済法」の成立優先する姿勢
米国のドナルド・トランプ大統領は24日、住宅の建設と供給の加速を目指す超党派法案「21世紀住宅への道法(21st Century ROAD to Housing Act)」への署名式を中止した。法案にはCBDC(中央銀行デジタル通貨)の発行を禁止する条項も含まれている。
トランプ氏はSNS「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、次のように宣言した。
私が「国家的緊急事項」とみなす、切実に必要とされる「SAVE AMERICA ACT(有権者資格保護法)」が可決されるまで、本日の住宅関連法に関する記者会見および署名式は中止とする。
この「有権者資格保護法」は選挙制度改革・有権者資格確認法案であり、選挙の有権者登録時に米国市民である証明書類を要求するなどの内容だ。トランプ政権は不正投票を防ぐことを目的とする一方、民主党からは結婚により姓が変わった有権者やパスポートをすぐ提示できない有権者が登録できなくなるとの批判が上がっている。
一方で、「21世紀住宅への道法」は米国内の住宅供給を拡大し、企業による賃貸住宅市場の独占を防ぐことで住宅の取得・利用をより手頃な価格にするための向上策を示すものだ。
また、連邦準備制度理事会(FRB)によるCBDCや、CBDCと「実質的に類似した」デジタル資産の発行・創設を、2030年12月31日までの期間は禁止する条項が盛り込まれている。
住宅関連法案にCBDC反対条項が加えられているのは不自然に見えるが、これは成立が不可欠な法案に無関係な政策を相乗りさせるという立法戦略により行われたものだ。
トランプ政権は、CBDCに対して明確な反対の姿勢をとっている。先月、スコット・ベッセント財務長官は、CBDCの導入は「選択肢から除外されている」と改めて強調していた。
関連記事:米住宅法案、上院を通過 CBDC発行を2030年まで禁止
米上院が住宅法案「21世紀ROADHousingAct」を85対5で可決。法案には連邦準備制度によるCBDC発行を2030年まで禁じる条項が盛り込まれた。下院通過・大統領署名を経て成立する見通し。
CBDCとは
各国・地域の中央銀行が発行するデジタル化された通貨を指す。「Central Bank Digital Currency」の略である。仮想通貨との大きな違いは、CBDCは法定通貨であること。通貨の管理や決済等においてコスト削減や効率性向上が期待できる一方で、個人情報やプライバシーの保護、セキュリティ対策、金融システムへの影響など考慮すべき課題は多い。
クラリティー法案への影響可能性
暗号資産(仮想通貨)への影響としては、もし「有権者資格保護法」の審議が最優先となれば、「クラリティー法案」を含む他の法案が後回しにされる可能性もある。
仮想通貨市場構造法案(クラリティー法案)は、仮想通貨規制の明確化を図る法案であり、米下院金融サービス委員会は同法案の公聴会を7月17日に開催する計画だ。
クラリティー法案を2026年中に可決させるためには、議会が夏の休会となるまでに審議を進め上院本会議採決の日程を確保するなどの進展が必要となると見られている。この日程が圧迫される可能性もある。
関連記事:クラリティー法案、米下院委が7月17日に公聴会 独立記念日前成立は困難に
米下院委員会が仮想通貨市場構造法「クラリティー法」の公聴会を7月17日にニューヨークで開催する。上院は60票のクロージャー確保と委員会間テキスト統合が未解決のまま議会休会が迫っている。
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