Discordが「Linked Roles」をリリース、ソラナを統合 ソラナウォレットで役職を取得可能に
ソラナに接続した役割
L1ブロックチェーンソラナ(SOL)の開発会社Solana Labsは13日、Discordユーザーがソラナ(SOL)ウォレットに接続し、それぞれの「Linked Roles(接続ロール)」を得られるようになったことを発表した。
Discordチャネルの管理者は、ソラナウォレットとDiscord IDを関連付けることで、要件をクリアしたユーザーに対してサーバー内でロール(役割)を付与できるようになった。ソラナブロックチェーンで記録された、ユーザーのトークン保有数、Tx数、ウォレットの利用歴などのメタデータを使用できる。
Discordが12日に公開した「Linked Roles」は、従来の「Connection(接続)」機能をバージョンアップしたものだ。従来の接続機能は、アカウント情報をリンクしてDiscordに表示することで単に信頼性を高める目的で使用されてきた。
バージョンアップにより、ゲーム、ソーシャルメディア、マーケットプレイス、ファイナンスなど20以上の公式Connectionsの“使用状況”に基づいて、Discordプロフィールに役割(Linked Roles)を付与できるようになった。
アカウントのフォロワー数や評価の高い販売実績など、Discord外のアカウントで蓄積した統計情報を表示するだけでなく、Discordチャネルにおける特定の役割(上図の場合、ModやVerified Payment)を付与することができる。これにより、新しいタイプの信頼を組み込むことができるようになった。
特にソラナの採用により、Web3(分散型ウェブ)のアイデンティティを従来のインターネット(Web2)への紐づけが可能になった。Solana Labsによると、現在のところDiscordによるブロックチェーンの統合はソラナに限られている。
例えば、FIFAと提携してブロックチェーンベースのサッカーゲームを構築している「Matchday」は既に「Linked Roles」を使用している。また、同社が販売した「Challenge Pass NFT」保有者は、Discord上で「𝗖𝗵𝗮𝗹𝗹𝗲𝗻𝗴𝗲 𝗖𝗵𝗮𝗺𝗽」の役割を取得できる。
これらの役割によって入手可能な特典はコミュニティ管理者の設定次第だ。あるコミュニティでは、サーバ内に限定スペースを設けており、入場には特定の役割が要求される。
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Discordの方針
Discordによると、「Linked Roles」は詐欺やなりすましのリスク軽減を目的として実装された。最初に、eBay, PayPal, Crunchyroll, Epic Games Store, Twitter, Reddit, Steam, Jefit, DeviantArt, Bloxlinkなど22の「公式」アプリが認定されている。ソラナもその一つと推測されるがDiscordは直接言及していない。
公式アプリ(PayPalなど)を要件とする役割には隣に緑色のチェックマークが表示され、そうでないアプリをベースに作成された役割と区別されている。以下の画像では、Matchdayで役割「𝗖𝗵𝗮𝗹𝗹𝗲𝗻𝗴𝗲 𝗖𝗵𝗮𝗺𝗽」を取得するのに必要な要件(ソラナウォレットでNFTを保有すること)が記載されているが、緑色のチェックマークは付いていない。
なお、Discordは「公式」アプリを増設するべく、来年から随時審査を実施していく計画だ。
Discordは仮想通貨のエコシステムにとってもなじみ深く、Web3の代表的なユースケースの一つであるDAO(分散型自律組織)のコミュニケーションチャネルとしても利用されている。メッセージ、モデレーター、日々のコマンドの実行など、さまざまな方法で獲得できる「ポイント」機能や、ユーザーのプロフィールに表示可能な「バッジ」との相性が良い。
ソラナ基盤のDAO総合管理ツール「Matrica」は13日、コミュニケーションアプリDiscordやソラナと協業していることを示唆。近く、各プラットフォームでの検証作業を簡略化する機能をリリースすると明かした。
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